コインチェックから580億円相当のNEMが流出

コインチェックから580億円相当のNEMが流出について

2018.3.7編集　2018.2.20更新
2018.1.26未明コインチェックから大量のNEMが流出し、総額が580億円に上るという事件がありました。NEMもビットコインと同じ仮想通貨です。


580億円の現金となると相当な量でさすがに人目をくらますというのは難しいところですが、仮想通貨はその名の通り現実に存在しない通貨ですのでこうなると弱いのです。

僅か20分でこの巨大な金額が奪われてしまったようです。


どうもコインチェックのセキュリティに問題があったようです。

通常は顧客の仮想通貨の大半はネットから遮断したコールドウォレットに置くことになっているのですがコインチェックはそれを怠り、暗号も不十分だったようです。しかも流出に半日近くも気づかなかったようです。


これで浮き彫りになったのは収益を優先させ利用者保護など基本インフラの整備を怠った業界も未熟な体制だったのではないでしょうか。

仮想通貨交換事業は2017年の法改正で金融庁への登録業者と登録申請中のみなし業者しか行えないこととなっていますが、コインチェックはまだみなし業者でした。


しかし被害額は相当大きいもののこれで仮想通貨が駄目になるのかと言われれば、そんなことはない感じです。ブロックチェーンの概念が廃れることはないと思いますし、資産のデジタル化はこの先も進むと思います。


時期は未定ですが、コインチェックは被害にあった約26万人全員に対し、総額460億円を返金する方針を明らかにしていますし事業は継続していくようです。

460億円も持っているのかという疑問も出てきますが、どうやら顧客と売買する際に一定のりざやを上乗せして稼いでおりその金額は売買の往復で最大10%と、FXに比べて桁違いの利ざやがあるそうです。これによって月間300億円を超える収益があった月もあったそうです。

仮想通貨は値動きが激しいためリスクの予想がつきにくいのですが、それにしても580億円なんて世の中には余っている金が多いもんですね。


以前マウントゴックスから400億円相当の仮想通貨が消失した事件がありましたが、今回の流出事件といい、小さいのを含めると氷山の一角といった感じさえします。

もし北朝鮮が関与していて巨額の資金が流れてしまったとなれば目もあてられません。

価値はあるけど存在のない通貨ゆえ、セキュウリティだけは十分でないとこうした問題が起こってしまうのでしょうね。


このような事件が起きてしまって交換事業者が倒産してしまっても、顧客の財産は守れるように仮想通貨を信託で守るという動きも出てきています。このサービスを三菱UFJ信託銀行が4月から始めるそうです。
今のところは改正資金決済法は交換事業者に自社と顧客資産の分別管理を義務づけていますが、これだけだと倒産時に一般債権として扱われ一部しか戻らない可能性があります。
しかしこの信託保全の仕組みを使うことで、交換事業者は取引の安全性をアピールできます。勿論三菱UFJ信託は仮想通貨をコールドウォレットで保管します。結構なことなのではないでしょうか。


ビットコインはNEMの流出を受けて2月6日に1BTCが677742円まで下がってしまいましたが、2月20日現在は1259657円まで戻ってきました。やはり大きな値動きですね。


その後闇サイトのダークウェブ(発信元の特定が難しいサイトの総称)に「あなたのビットコインかライトコインをNEMと交換できます。」という投稿があったようです。どうやらここで交換が行われ、2月末までに少なくとも150億円分が交換されたようです。ダークウェブを経由してしまえば摘発リスクは減り捜査は難航するものと見られています。