オンラインカジノで儲けた時、税金を納めないとバレルか

確定申告の時期がきました。個人事業主をはじめ課税対象となる収入のある方は3月15日までに納税して、確定申告を済ませないといけません。今回はオンラインカジノで利益が出た場合どうするのか説明します。

 

オンラインカジノの税金計算

結論から言いますと残念ながら課税の対象となってしまいます。これは海外のカジノで勝った場合やパチスロ、競馬で勝った場合に一時所得の対象になるのと一緒です。去年1月1日から12月31日までの勝利金(払い戻し金)に対して、一時所得として発生します。経費はその勝利ベット金額の合計になります。負けベットは経費には含められません。それから基礎控除を引いた金額が課税対象となるわけです。

 

例えば今年(2021年令和3年)でしたら、去年(2020年令和2年1月1日~2020年令和2年12月31日)の勝利金合計-勝利ベット額-48万円(基礎控除)、この額が+なら課税対象となります。もしオンラインカジノの口座が$でしたら、月毎に平均相場を円に換算して計算しなければなりません。そして課税対象額から税率を計算して税額を求めます。

 

課税対象額 税額
0円 0円
1,000~1,949,000円 ×0.05
1,950,000~3,299,000円 ×0.1-97,500円
3,300,000~6,949,000円 ×0.2-427,500円
6,950,000~8,999,000円 ×0.23-636,000
9,000,000~17,999,000円 ×0.33-1,536,000円
18,000,000~39,999,000円 ×0.4-2,796,000円
40,000,000~円 ×0.45-4,796,000円

基礎控除や税額計算はその年度によって異なりますので、2021年令和3年でない場合は国税庁のホームページで確認してみて下さい。

 

実際に税金を納めないとバレルか

正直バレル可能性は低いです。と言うよりもカジノゲーム自体に控除率が発生しますので、これで税金を払うぐらい勝つ人自体が少ないのです。せいぜい運よくジャックポットを当てられた人くらいなものです。仮にジャックポットを当てられたとしても投資金額も相当なものと思われます。

仮に100万円入金して80万使ったところで、100円ベットし一発100万円を当てられたとします。口座には120万円あります。実際は100万円から100円を引いた値が課税対象額となりますが、当然国税庁は海外のオンラインカジノと繋がりがありませんので、把握しようがありません。仮にその120万円を国内口座に出金したとしても、どのように金が流れたのか不明ですよね。ここまでは国税庁も把握しきれず自己申告になります。

もしバレルとしたら、自分から人にオンラインカジノいくらいくら勝ったなどと自慢し、その人が国税庁に密告して調べられるケースくらいなものです。実際に調べられましたらオンラインカジノにはしっかりゲーム履歴も残りますので終わりです。

しかしオンラインカジノ自体がグレーですので、仮にこれで税金を払うぐらい大勝したとしても、バカ正直にオンラインカジノで勝ったので、一時所得として税金を払うとは申告しにくいですよね。はっきり言って払っている人はいないと思います。これは競馬やパチスロで勝った人が無申告で済ませるのと同じです。

 

結論

オンラインカジノの勝利金には税金が発生します。しかし税金は払うくらい勝てる人自体が稀で、勝ったとしてもオンラインカジノ自体がグレーですので申告しにくいです。そして実際に申告している人は知りません。こっそり自宅で楽しんで、オンラインカジノに対してしっかりした法整備ができた時に、それに従いましょうということになります。

 

外れ馬券経費裁判

以前に3年間競馬で、約1億4000万円の稼ぎがあったのにまったく申告しなかった男性が、国税局の査察を受けて所得税法違反で告発されたという刑事事件がありました。この男性は市販の競馬予想ソフトに改良を加え、ネット上でJRA全競馬場のほぼ全レースの馬券を無差別に購入するという買い方をしていました。2015年3月10日裁判所はこれを、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得」すなわち雑所得と認定し、脱税額は一時所得であることを前提に起訴された約5億7千万円から約5200万円に減少する判決を下しました。有罪ながら懲役2ヵ月・執行猶予2年と大幅に軽減され、事実上被告側の勝ちとなったわけです。

この判決は払戻金は一時所得ではなく、雑所得という新しい概念を生みました。これですと負けた馬券も経費で落とせます。考えてみればこれは当たり前で、こうでなくてはまるで勝ってはいけないみたいになってしまいます。実際勝った時だけ税金を取られて負けた時は経費にならなく、それを厳しく取り締まられては、誰も競馬をやる人はいなくなります。JALは儲かりませんし、国はそれにあやかる税収も無いというわけです。ですのでJALは税金のことについてはうるさ言っていないのが現状です。

オンラインカジノでもこれは当てはまると思いますが、如何せんオンラインカジノ自体がグレーですので、それを認めさせるのも難しいといったところです。