ブラックジャック

記事編集日 2018.4.26 記事作成日 2017.11.13

ブラックジャックはカジノゲームの中で最も人気があり、テーブル数が最も多いのもこのゲームです。

世界中で基本的なルールは同じですが、国や州、カジノによって細かいところが異なるようです。

ディーラーとの対戦形式で基本戦略やカードカウンティングなどの攻略法などもあり、カードカウンティングを題材にしたラスベガスをぶっつぶせなどの映画もあります。

1962年にエドワード・ソープ氏はカウンティングシステムを研究し、論文「Beat The Dealer」(ディーラーをやっつけろ)を発表しました。

選択肢のないディーラーに対してプレイヤーには多様な選択肢があり、残ったカードの偏りをカウンティングによって測り、有利だと思った時にベット額を大きくするというマネーコントロールをすることで、カジノ側を上回る有利度でもって勝負することができると言われています。

 

 

ブラックジャックテーブル

ブラックジャックテーブルはこんな感じのものが基本形になります。右側にシューがあり、ここからカードは取り出されます。真中にチップトレーがあります。左にあるのがディスカードホールダーといって使用されたカードを置くところです。これはオンラインカジノのテーブルブラックジャックですので実際には1ハンド毎に初期設定に戻りますので、ディスカードホールダーは使われません。真中に3TO2や2To1という表記が見えますが、これは2や1の賭けに対して3や2の配当という意味です。他にはプラカードといって最低賭け額と最高賭け額が書かれた小型の掲示板があります。テーブルリミットというところがそうで、カーソルを当てると以下の感じに出てきます。

 

これはライブブラックジャックですが、ライブブラックジャックは使用されたカードはディスカードホールダーへ貯められていきます。

 

ルール

ジョーカーを除く1デッキ52枚のカードを1組、2組、4組、6組、8組のいずれかを使ったディーラーとの対戦型ゲームで、各々2枚以上のカードを使って合計が21を超えずに21に近づけた方が勝ちとなるゲームです。2~9まではその数字、T、J、Q、Kは10とみなし、Aは1にも11にもなります。使用されるデッキ数は通常6か8が多いです。

 

基本アクションとディーラーのルール

チップを置きディールしますと、プレイヤー(手前側)に2枚、ディーラーに2枚(1枚は裏)のカードが配られます。最初にアクションを起こすのはプレイヤーの方です。この場合は7ですのでヒット(1枚カードを引くこと)します。尚プレイヤーの最初の2枚のカードでAと10の21ができた場合ブラックジャックと呼び、ディーラーがブラックジャックで無い限り無条件で勝ちとなり1.5倍の配当を受けます。このAと10の最強ハンドのことをナチュラルともいいます。

 

Aがきました。Aは1にも11にもなるため合計は8か18ですが、いい方が採用されます。18はそれほど悪くはないのでスタンド(これ以上のカードを引かないこと)しました。尚21を超え(22以上)てしまったらバーストとなりプレイヤーの即負けとなります。

 

スタンドしたらディーラーのアクションの番となります。ディーラーの裏のカードは表に返され、以下に従ったルールでアクションが取られます。

 

17以上でスタンドし、16以下は常にヒットする。(通常はソフトハンドも含めるが、ソフト17(Aと6)ではカードを引くというルールもある。)

 

このルールがあるためディーラーに選択の余地はありません。(これはディーラーがプレイヤーと結託することをハウス側が警戒しているため。)

ディーラーの最初の合計は15でしたので、ルールに従いヒットしたら9が出て合計24のバーストとなりプレイヤーの勝ちとなりました。ディーラーがスタンドした場合は、21に近い方が勝ちとなります。

プレイヤーが勝ったら1倍の配当を受け、負けたら賭け金が没収されます。引き分けた場合はプッシュといって賭け金が返金されます。

尚ディーラーの最初の2枚のカードでブラックジャックとなった場合、プレイヤーがブラックジャックでない限り無条件でディーラーの勝ちとなりますが、この場合はただ賭け金が没収されるだけです。

 

インシュランス

ディーラーの最初のカードがAだった場合、プレイヤーにはインシュランスの選択が与えられます。これは賭け金の半額を払う代りに、ディーラーがもしブラックジャックだった場合、インシュランス代の2倍の配当を受けるという保険です。ディーラーがブラックジャックでない場合はインシュランス代が没収されゲームは続行となります。ディーラーがブラックジャックでプレイヤーがブラックジャックでない場合は2倍の配当を受け、最初の賭け金は没収されますので、結果としてチャラになります。両者共ブラックジャックだった場合は最初の賭け金はプッシュとなり、2倍の配当はつきますので、結果的には最初の賭け金の1倍の配当となります。プレイヤーがブラックジャックの時インシュランスをすると、ディーラーの結果によらず最初の賭け金の1倍の配当になりますので、これをイーブンマネーといいます。

 

ダブルダウン

プレイヤーが3枚目のカードを引く前にヒット、スタンドの他にダブル(ダブルダウン)という選択があります。これは賭け金を倍にし、プレイヤーが1枚のみのヒットで勝負することです。

11ですのでダブルしてみました。更に$2払ってもう1枚カードを引きます。

 

プレイヤーの3枚目のカードは最悪のAでした。ダブルなのでこれ以上もうカードは引けず合計は12です。しかしディーラーがバーストしてくれてプレイヤーの勝ちとなりました。

 

スプリット

2枚のカードが同じ数だった場合(T、K等も可)スプリットという選択もできます。

これは賭け金を倍払い、二つの独立したカードにしてそれぞれでプレイすることです。

 

こんな感じです。それぞれでダブルも可能です。

 

二つともディーラーに負けてしまいました。

尚Aをスプリットした場合はそれぞれ1枚づつしかカードを引けません。その後10が引けてもそれはブラックジャックではなくただの21となります。

 

サレンダー

プレイヤーの最初の2枚のカードで勝ち目なしと判断したらサレンダー(降参)といって、プレイをやらずに賭け金の半分を返して貰えるというルールもあります。

 

細かいルールの地域による違い

相違点 ラスベガス 北部ネバダ アトランティック市 ヨーロッパ
 カードの使用組数  1、2、4、6、8組  1、2、4、6、8組  4、6、8組  4、6組
 ノーホールカード  ×  ×  ○  ○
 スタンディーズ  ×  ×  ×  ○
 ディーラーのソフト17  ○×  ○  ×  ×
 ダブルダウン  Any  10、11  Any 9、10、11
 スプリット  ○  ○  ○  ○
 再スプリット  ○  ○×  ×  ×○
 スプリット後のダブルダウン  ×○  ×○  ○  ○×
 サレンダー  ○×  ○×  ?  ?

ノーホールカード:一般的にディーラーのアップカードがAの場合はプレイヤーにインシュランスの催促をした後、10の場合は直ちに無言でもう1枚のカードを確認し、ブラックジャックだった場合は直ちにゲームを終了しますが、プレイヤーの全てのアクションが終わってから見るルールもあります。これをノーホールカードルールと言われ、ディーラーがブラックジャックだった場合はスプリットやダブルダウンの分は返金されます。これはディーラーがプレイヤーと組むことを警戒したカジノ側の計らいです。

スタンディーズ:立ち見席からプレイーの背後にベットすることを認めているルールで、アクションの選択権は勿論プレイヤー任せです。

ディーラーのソフト17:ディーラーがソフト17(A、6)でヒットするルールは、長期的に僅かにディーラー有利に働きます。

○×:一部には認められている

 

細かいルールの違いは意外にプレイヤーの作戦に影響を及ぼしますので、最初に確認しておく必要があります。

 

ハウスの利点

プレイヤーは先にアクションを起こさねばならず、双方バーストするにしてもこれに従いディーラーの勝ちになります。プレイヤーの平均的なバースト率は15%と言われています。このアドバンテージは大きく、プレイヤーがディーラーと同じ条件で戦ったとしたらディーラー側に5.5%の優位性があります。ブラックジャックにはルーレットやクラップスのように出現率に対応したカジノの控除率といったものが存在せず、この利点のみで利益を上げているのです。

 

プレイヤーの利点

BJが出た場合1.5倍の支払いを受けるが、ディーラーがBJを出しても賭け金が取られるだけです。そしてプレイヤーには随所に選択の余地(スタンド、ヒット、ダブル、インシュランス、スプリット)がありますが、ディーラーにはなくただハウスルールに従ってプレイするのみです。

 

ブラックジャックで勝つために

ディーラーのハンドの最終合計値の分布から考察してみる

ディーラーは常に一定のプレイをするため、その傾向を掴むことができます。ここではその傾向を見てみたいと思います。

アップカードを特に意識しなければ、ディーラーのハンドの最終合計値の分布はこんな感じになります。

バースト率は約28%と突出しているように見えますが、逆の見方をすると72%は踏みとどまり、その内の5%程度はBJになってしまうことが分かります。

しかし実際はアップカードによってグラフの形が大きく異なりますので、次にアップカードによる違いを見ていきたいと思います。

 

左上から右下まで2、3、4、5、6、7、8、9、10、Aという順になっています。

これで分かることはディーラーがバーストしやすいアップカードは2~6で、特に5、6が最もバーストしやすいが、それでも50%以上はパットハンドに到達するということです。

そして8以上になるとバーストする確率は25%未満まで下がり、7以上はアップカードの数+10という強いハンドを作る可能性が高いことが分かります。

 

以上よりまとめますとディーラーの手札の強弱を4段階にまとめますと以下のようになります。

ランク ディーラーのアップカード 評価
C 2、3 やや弱 見かけよりかは弱くないので注意
D 4、5、6 最弱 ディーラーバースト率42%なんでチャンス
B 7、8 強い手ではないので怯える必要はない
A 9、10、A 強いので要警戒

 

一方プレイヤーの手札の強弱判定をしますと以下のようになります。

プレイヤーの手札の合計 評価
11以下 強い ヒットしてもバーストすることがなく、ダブルダウンのチャンスもある
12、13 やや弱 ヒットしても61~69%はバーストせず、見かけほど弱くはない
14、15、16 弱い 弱いのでディーラーの手札に対応したアクションを取ることになる
17、18 普通 バーストする可能性があるのでハードハンドならスタンドすることになる
19、20、21 強い このままスタンドして勝負する

※Aを含むハンドはヒットしてもバーストすることはなく全て強いので、積極的なアクションを取っていきます。

 

これより汎用基本戦略が有効な作戦として編み出されます。

 

汎用基本戦略

使用されるカードがランダムでカウンティング等の情報がない時、これに従うことにより最もプレイヤーの成績を高めてくれる戦略で、期待値は-0.6%~0%(デッキ数や細かいルールが異なるため幅がある)になります。

ディーラーのアップカード
2 3 4 5 6 7 8 9 10 A
プレイヤーのハンド スプリット A-A Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp
10-10 S S S S S S S S S S
9-9 Sp Sp Sp Sp Sp S Sp Sp S S
8-8 Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp
7-7 Sp Sp Sp Sp Sp Sp H H H H
6-6 H Sp Sp Sp Sp H H H H H
5-5 D D D D D D D D H H
4-4 H H H H H H H H H H
3-3 H H Sp Sp Sp Sp H H H H
2-2 H H Sp Sp Sp Sp H H H H
ハードハンド H17↑ S S S S S S S S S S
H16 S S S S S H H Su/H Su/H Su/H
H15 S S S S S H H H Su/H H
H14 S S S S S H H H H H
H13 S S S S S H H H H H
H12 H H S S S H H H H H
11 D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H H
10 D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H H H
9 H D/H D/H D/H D/H H H H H H
8↓ H H H H H H H H H H
ソフトハンド S19↑ S S S S S S S S S S
S18 S D/S D/S D/S D/S S S H H H
S17 H D/H D/H D/H D/H H H H H H
S16 H H D/H D/H D/H H H H H H
S15 H H D/H D/H D/H H H H H H
S14 H H H D/H D/H H H H H H
S13 H H H D/H D/H H H H H H

Sp:スプリット、S:スタンド、H:ヒット、D:ダブル、Su:サレンダー、Su/H:サレンダー不可のルールではヒット、D/H:ダブル不可のルールではヒット、D/S:ダブル不可のルールではスタンド

 

この基本戦略には以下の特徴があります。

スプリットに関しては主にディーラーのアップカードが弱い時(6以下)に行われ、Aのペアと8のペアは常にスプリットする。Aのペアは攻撃的な意味合いを持ち、8のペアは半端な16を避けるためのディフェンス的な意味合いを持つ。

4、5、10のペアはどんな場合でもスプリットしないが、これはハンドの価値を下げないため。

ダブルに関しては、プレイヤーが一枚引いて完成されたハンドの勝算が高めの時に行う。

ヒットとスタンドに関しては、プレイヤーがスティッフハンド(合計12~16)で、ディーラーのアップカードが強い時(7以上)は、ディーラーがパットハンド(17~21)になる可能性が高いとみなしてヒットする。逆に弱い時はディーラーがバーストしてくれることに期待してスタンドする。

そして重要なのが、結果がどう出ようと、立て続けに悪い結果が出ようと、一切の感情を交えずこの通りにプレイするということです。

 

汎用基本戦略にはルールによる補正がありますが、ブラックジャックの基本戦略とその実戦をご参照下さい。実際にこれを活用してみて、どういう結果と考察を得たのかも書かれています。

 

カードカウンティング戦略

ライブブラックジャックでは使用されたカードはディスカードホールダーへ入れられ、次のゲームには使われません。よってシューのカード構成はゲーム毎に異なります。この従属事象を生かしてカードの偏り具合からプレイヤーが有利と判断した場合に大きく賭け利益を上げるのがカードカウンティング戦略です。一般的にハイカード(A、K、Q、J、T)がシューに多い状態がプレイヤー有利で、ローカード(2、3、4、5、6、7)が多い状態がディーラー有利と言われています。

これを踏まえた上でカウント値を以下のようにします。

カード カウント値
2 +1
3 +1
4 +1
5 +1
6 +1
7 +1
8 0
9 0
10、J、Q、K -1
A -1

IRC(初期設定のランニングカウント)の値に関しては以下の公式に従います。

IRC=4-(4×デッキ数)

※例えば8デッキの場合は、4-(4×8)=-28となります。

次にキーカウントを以下のように決めます。キーカウントとはプレイヤーのアドバンテージが+になった時のカウント値をいいます。

デッキ数 IRC キーカウント
1デッキ 0 +2
2デッキ -4 +1
6デッキ -20 -4
8デッキ -28 -6

つまりキーカウントに達した時点で大きく賭け、達していない時は小さく賭ければ、ユーザーはこのゲームのアドバンテージを得ることができるということになります。

詳しくはオンラインカジノにおけるカードカウンティングの実戦とカジノの対策をご参照下さい。結果はカットカードの存在で上手くいかなかったのですが、この時ハイカードが多い時は本当にプレイヤー有利に働くのかという疑問を持ち、実際にカードに偏りを持たせてシュミレーションしてみました。すると意外にもプレイヤーのアドバンテージは思っていたよりも小さいという結論を得ました。詳しくはカードカウンティングの実験と結果と考察をご参照下さい。

 

用語集

ソフトハンド:Aを含むハンド

ハードハンド:Aを含まないハンド

アップカード:ディーラーの表向きの最初の1枚目のカード

ホールカード(ダウンカード):ディーラーの表向きのカード

パット:合計が17~21

スティッフハンド:12~16のハンド

ナチュラル:最初の2枚で21になってるハンドで、要はBJのこと

バースト:ハンドの合計が21を超えてしまった状態

カットオフカード:そのカードの先からはプレイしないという目印のカード

シュー:これから使われるカードが入った容器

ペネトレーション:全体の何%のカードが使われるかという割合
例)8デッキゲームでカットカードが2デッキの深さにあった場合ペネトレーションは75%となる。