台風19号ハギビスが残したもの

今回は2019年10月12日、日本を襲った台風19号ハギビスについての雑談です。

 

台風19号ハギビス接近と台風15号の被害

10月の3連休初日の12日、地球規模最大級と言われていた台風19号(ハビギス)が日本に上陸しました。ハビギスはフィリッピンで名付けられたもので、フィリッピン語で「すばやい」を意味します。私がその存在を知ったのが1週間くらい前で、ツイッターで「えげつない台風がきてるな。」というツイートを見た時です。ちょうど北海道旅行から帰ってきた頃で危なかったなと思っていたところです。

 

8日の時点でこの画像を見て愕然としました。15号は先月千葉に大打撃を与えた台風です。住宅は倒壊し、屋根は吹っ飛び、街路樹は倒れ、電柱は折れて、ゴルフ場の柱は民家に倒れ民家は下敷きになりました。1カ月以上経った今も停電が解消されていないところもあります。

私は神奈川に住んでいますが、壁から雨水がしみ込んできて2階の一部がびしょびしょになりました。その時も凄かったのに今回はそれを上回る大きさです。

アメリカでも注目されており、カテゴリーはありえない6と言われ、地球規模最大とまで言われていました。1958年の死者1269名を出した狩野川台風に匹敵するとまで言われていました。前回も凄かったのにこれはただ事ではないと、今回は事前対策をすることに決めていました。

 

鉄柱倒壊した市原ゴルフガーデンです。撤去は今月28日からで、まだ撤去されておらず19号の襲来でさらに被害が拡大したとのことです。

 

台風19号への事前対策

対策は前日の11日(金)にしました。まず今回の台風は最大風速65m/sで、窓ガラスが割れる可能性があるとのことで、家にあるガムテープで2階の雨戸の無い窓を全部貼り付けました。古い家で窓ガラスも薄いのです。ガラスはそれほど大きくはありませんが全部で10枚です。結構骨の折れる作業でガムテープは使い切りました。貼った後は少し部屋が薄暗くなりました。ガムテープは決して窓ガラスの強度を高めてくれるものではありませんが、飛散防止にはなります。

その後は食料調達です。マルエツへ行きましたが昼にも関わらずレジに非常に並んでいました。少し大目に食料を買ってレジで15分ほど並びました。店内を見たところ、ペットボトルやカップ麺が早くも品切れになっていました。

ここで思ったのが、前日は誰でも準備をするため、前々日に準備するのがいいということです。前々日から動く人は案外多くありません。もっとも今回は台風だから分かることで、地震ならそんな悠長な時間はありませんけどね。明日は強風で家から出れないものと考え、豚汁と牛丼を大目に作りました。後停電に備え、懐中電灯も準備しておきました。その日は寝付くのが遅かったです。

 

台風19号ハギビス上陸

12日当日は朝から雨が降っていましたが、雨戸は締めていましたので外の様子は分かりませんでした。ネットの情報とテレビの情報を見て夕方頃より伊豆に上陸するそうです。時折り災害速報がきます。私の住んでいる地域は土砂崩れの危険性より、AM10:00より避難勧告が出ました。近くに小学校も中学校もありますが、大型犬を飼っているので避難所へ行くことは考えませんでした。たまに外の様子を見に行きましたが風も雨も思ったほどひどくは無く、台風特有の生暖かさがありました。

 

台風19号は大型で非常に強く、中心気圧は945hPa、最大速度45m/s、最大瞬間風速60m/sです。

 

お昼を過ぎた辺りから、決して遠くはない多摩川が氾濫しそうだという情報をネットでチラホラ見るようになりました。速報にもきました。多摩川は河川敷が広いため、あれが氾濫するとなるとよほどのことです。ほんまかいなっと半信半疑でした。しかし堤防の高くない所や河川敷が広くない所があって、そこから氾濫してもおかしくはないとは思っていました。

PM6:00頃、伊豆に上陸したあたりから雨と風も一段と強まってきました。家の廊下で一部天井から雨もりがしました。確かに強い雨でしたが、風は15号の時ほど強くは感じませんでした。2階の雨もりは今回は大丈夫でした。PM11:00あたりから雨が弱まってきて行ったかという感じでした。通り過ぎてしまえば普段の台風と同じような感じでした。その日はそのまま眠りにつきました。

 

台風一過後のガムテープ剥がし

次の日は寝坊してしまいましたが、雨戸を開けるとよく晴れていました。台風19号はその後温帯低気圧に変わったそうです。最初にやったことはまず窓のガムテープ剥がしです。多少後が汚くなることは覚悟していましたが、こんなにも取り難いものだとは思っていませんでした。こんなことするんじゃなかったと後悔しましたが、万が一のこともありますし命には変えれませんので、しょうがなかったと思っています。ガムテープのベタベタをどうやって取るべきかネットで調べてみました。マネキンの除光液を使うだとか、酢を使うとかいろいろ出ていました。最初は食器洗い用の洗剤を使いましたがダメで、次に消毒用アルコールを使いましたがこれもダメ、最後にハンドクリームを使いました。これは効果ありましたが根気はいりますし力も使うため指が疲れます。

 

左はハンドクリームで拭いて綺麗にした方の窓、右はこれからする窓です。1枚につき1時間半はかかりました。この作業が大変なので養成テープを用意しておくべきだったと悔やみました。もっとも前日では売り切れて手に入りませんでしたが。あまりにも大変なので1日1枚することにしましたが、これでも10日かかります。(実際にはあまりにも大変で1日半枚ペースになってしまいました。)

次は外の様子です。まずは氾濫したという多摩川を見に行きました。家から自転車で25分くらいの距離にあります。

 

多摩川と武蔵小杉の様子

PM4:00近くですが、これは多摩川のガス橋付近の河川敷です。川は写真には写らないくらい向こう側なのに、大きな水溜りがあります。この水溜りは当然普段はありません。普段は少年野球とかサッカーの広場になっています。堤防のすぐ下まで草が泥を被っており、こんなところまで濁流がきたのかと思いました。

 

そのまま冠水したと報道があった小杉方面へ向かいました。普段は散歩コースに利用しているところですが、道路がいつになく汚くなっており冠水したのが伺えます。自転車も道路との摩擦が大きく走りにくかったです。この交差点で交通規制をやっており、直進と右折は禁止でした。

 

これはNECの本社付近ですが、冠水の高さを物語っています。しかし引くのも早いんだなと思いました。

 

武蔵小杉駅のバスロータリーですが、さすがに機能していませんでした。

 

駅前は普段よりも人が多いくらいでした。

 

これは先程の交差点を直進した所の付近ですが、泥が溜まっており交通規制するのも分かりました。この泥が近隣の住宅にも入り込んだみたいで、総手で処理にあたっていました。どうも下水の水圧が上がって溢れてしまったみたいです。

 

最後にマルエツに寄りましたが、その日は全体的に品不足でした。

 

被害状況

台風が去ってから3日が経ち被害の全容も明らかになってきました。10月15日時点で死者74人、不明者12人と出ていますが、日を追う毎に増えていっています。中でも福島県で26人、宮城県で14人と河川の堤防決壊による浸水で、逃げ遅れた高齢者が犠牲となるケースが目立っています。

以下各地の被害状況です。

武蔵小杉ー下水の水圧が高まりマンホールから溢れる形で冠水しました。

高津区ー多摩川の水かさが増っして、支流の平瀬川の水が行き場を無くしてあふれ出たため、この辺のエリアが浸水しました。

世田谷区ー多摩川の堤防のない所から氾濫し、周辺道路が冠水しました。

長野市穂保(ほやす)地区ー千曲川の堤防が70mに渡って決壊し民家が濁流に飲み込まれました。

福島ー阿武隈川とその支流など福島県内の25河川が氾濫し、流域の20市町村で浸水しました。

宮城ー河川の氾濫などで大規模な浸水被害に見舞われた宮城県内の被災地では、土砂崩れにより道路が寸断し、被害の全容が掴めていない状況です。

 

八ッ場ダムの奇跡

利根川上流の吾妻川で、建設中で試験貯水中の八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)が12日から13日にかけ、一昼夜でほぼ満水になりました。これによって利根川水系の人々を水害から守る形になりました。

 

台風19号が残した教訓と課題

台風による被害はほとんどが水害によるものです。台風の多い日本ですからやはり堤防やダムの重要性というのが浮き彫りなる結果となったと思います。その他に川の水かさが増っした時どのように逃がすのか、あらかじめ経路や水瓶を確保しておかないと今回のような規模の台風には太刀打ちするのは難しいと思いました。

また台東区の避難所が住所不定の男性2人に対し受け入れを拒否したということで、今後ホームレスへの対応が課題として残りました。またペットをどうするかも難しい問題です。同じ命ですからそれらの受け入れ先もあって然るべきだとは思いますが、衛生面等でクリアしなければならない壁は高いです。

 

災害ゴミ問題

台風19号の被災地では、泥を被った家具などの災害ゴミが増え続けており自治体を悩ませています。環境省は数百万トン発生すると予測し、処理には2年かかると見越しています。19日時点で住宅約400棟が全半壊し、約2万4千棟が床上浸水しています。環境省は1棟につき全壊で110トン、床上浸水で4.6トンのゴミが出ると推定しています。 追記2019.10.20

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