テキサスホールデムボーナスポーカーのルールと戦略

テキサスホールデムボーナスポーカーは、カジノゲームのポーカーの中で、比較的テキサスホールデムに近い形式です。違いはディーラーと1対1で勝負する点、ベット額が固定されている点、リバーでのベットが無い点です。逆に言えばプレイヤーに、プリフロップ、フロップ、ターンと3回のアクション権があり、選択の要素がある分戦略も練りやすいと思われます。

今回はEvolution Gamingのライブゲームにあるテキサスホールデムボーナスポーカーを使ってルールを説明し、性質を考えて戦略を練り実戦していこうと思います。

 

テキサスホールデムボーナスポーカーのルール

52枚1デッキのカードを使います。カードは毎回シャッフルされたカードを使います。勝負はプレイヤーの2枚とボードの5枚から3枚を取り最強の役を作り、ディーラーも同じように2枚とボードの5枚から3枚を取り最強の役を作り、どちらが強いか勝負します。流れは以下を見て下さい。

 

1)ANTEを置く

最初に参加料としてANTE(BLIND)を置きます。ベット額は$0.5~1,000です。

 

2)プリフロップのアクション

プリフロップにプレイヤーに2枚表向き、ディーラーに2枚裏向きのカードが配られます。プレイヤーは自分のカードを見て、ゲームに参加し続けるかどうかを決めます。参加し続けるならANTEの倍額をFLOPにベットしなければなりません。フォールドするならそこでゲームは終わります。

QJオフスーツはヘッズアップにはまあまあ強いカードなのでベットしました。

 

3)フロップのアクション

プリフロップでベットすると、フロップに3枚のカードが開きます。ここでベットをするかチェックをするかを決めます。ベットをするならANTEと等倍のベット額をTURNに置くことになります。チェックをするならベットしないでゲームに残ることになります。フォールドではないので勘違いしないで下さい。

Jがヒットしましたのでベットすることにしました。

 

4)ターンのアクション

ターンでまた1枚のカードが開き、フロップと同様のアクションを決めることになります。

♦7はこのボードで大きな影響を与えてるとは思えず、ベットすることにしました。

 

5)ショーダウンまで

ターンでアクションを決めると後はもう自動です。リバーで1枚のカードが開き、ディーラーのカードも表向きにされ、どちらが強いか決定します。プレイヤーが勝ちなら配当を受け、負けならベット額は没収されます。配当はFLOP、TURN、RIVERの等倍、ANTEはストレート以上なら等倍スリーカード以下なら配当無し(返金扱い)となります。

こちらのツーペアで勝ちなので、配当を受けます。この場合は1+0.5+0.5=$2の配当となります。ベット額はそのまま戻りますので$4.5のリターンとなります。

 

例1)

フラッシュで勝ちましたので、全て等倍配当で$2.5の利益、$5のリターンとなります。

 

例2)

スリーカードで勝ちましたので、ANTEだけは配当を受けず$2の利益、$4.5のリターンとなります。

 

例3)

どちらもボードにヒットせず、共通の2のペアAハイとなりましたが、2番目のキッカーがQ対Tでプレイヤーの勝ちとなりました。ベットしたFLOPだけ等倍配当で$1の利益、$2.5のリターンとなりました。

 

控除率

理論上の還元率はアンティベットは97.96%、合計ベットは99.47%です。このゲームの控除率の対象となっている所(ハウス側が有利な点)は、スリーカード以下でプレイヤーが勝った場合のANTEベットの無配当です。逆にプレイヤーにとって有利な点は、プリフロップ、フロップ、ターンと3回のアクション権がある所です。

 

サイドベット

アンティを置いた者のみBONUSにも置き、サイドベットをすることができます。サイドベットは勝負の結果に関わらず、プレイヤーの2枚のカード(AAプレイヤー,AAディーラーの場合のみ4枚のカード)で決まります。

サイドベットの当たる確率と配当
ハンド 当たる確率 配当
A,A(プレイヤーとディーラー) 1/270,725 1000:1
A,A(プレイヤーのみ) 1/221 30:1
A,Kスーテッド 2/663 25:1
A,Qスーテッド、A,Jスーテッド 4/663 20:1
A,Kオフスーツ 2/221 15:1
K,K、Q,Q、J,J 3/221 10:1
A,Qオフスーツ、A,Jオフスーツ 4/221 5:1
2,2~10,10 7/221 3:1

必ずしも当たる確率の低さに対して配当が高くなるとは限らないようです。これはハンドランク(2枚のカードのランク)の高さと、それを配られる確率の低さが比例しないためと思われます。サイドベットの控除率は91.46%となります。サイドベットの控除率がメインベットのそれより低いのは他のゲームと同様です。つまりボーナスでも何でもないのですね。このワードは罠とも取れます。

 

ドローに対しての考え方

フロップでフラッシュドローになり、リバーまでに引ける確率は約35%(3回に1回くらい)です。フロップとターンのみのベットを考え、両方でベットをしたとすると、勝った時2倍の配当でペイオフされるところ、勝って得られる配当は1倍しかありません。よってフロップでフラッシュドローになった場合、フロップではチェックして、ターンで引けた時にベットするのが最適だと思われます。オープンエンドストレートドローは更に確率が低く31.45%(3回に1回以下)ですので、猶更チェックでいいと思います。

 

戦略を練る

プリフロップの戦略

このゲームで一番大事なのはプリフロップでのアクションです。テキサスホールデムの最初の2枚のカードにはハンドランクがあるのは、テキサスホールデムの優秀な戦略を編み出すで紹介しました。大部分のレンジでANTEの倍を払って参加することになりますが、どこのラインから切り捨てるか(フォールドするか)ということです。ハイカード2枚対アンダーカード2枚(例A,Kオフスーツ対9,4オフスーツ)のプリフロップディール勝率は前者が66.65%、後者が32.94%です。つまり後者でも3回に1回は捲れるのです。期待値で考えてみますと1/3×1-2/3×1.5=-2/3です。(ANTEベットを1/2とする。)-2/3<-1/2ですので、期待値が元々-でもフォールドした方が僅かに得です。そこでハンドランク90%以上のレンジでフロップを見に行くことにしました。

ハンドランク上位から5%刻み
スーテッドハンド
A K Q J T 9 8 7 6 5 4 3 2
オフ
スー
トの
ハン
A 5 5 5 5 10 10 15 15 15 15 15 20 20
K 5 5 10 10 10 15 20 20 25 25 30 30 35
Q 5 10 5 10 15 20 25 35 35 35 40 45 45
J 10 15 20 5 15 20 25 35 45 45 50 55 55
T 15 20 25 25 5 20 25 35 45 55 55 60 65
9 20 30 35 40 40 5 25 35 45 50 60 65 70
8 25 40 50 50 50 50 10 35 45 50 65 75 75
7 30 45 55 60 65 60 55 10 40 45 60 70 80
6 35 45 60 70 75 70 65 65 15 45 55 65 80
5 30 45 65 75 85 80 80 75 75 20 50 60 70
4 30 55 70 80 85 90 90 90 85 80 25 65 75
3 35 55 70 85 90 95 100 95 95 85 90 30 80
2 40 60 75 85 90 95 100 100 100 95 100 100 40

黄色の部分が上位95%以上のレンジで切り捨てレンジとなります。

 

フロップ、ターンの戦略

相手のハンドが見えていないものとし、プリフロップでペアでないカードが配られた時、ディールして手札と何もヒットしない確率は44/50×43/49×42/48×41/47×40/46=130,320,960/254,251,200。逆にヒットする確率は1-(130,320,960/254,251,200)=123,930,240/254,2512,00。よってヒットしない確率の方が僅かに高いので、ヒットした場合、ボトムペアのヒットであっても基本的にはベットしていくものとする。但しボードの結びつきが強くこちらにドローの目が無い場合はその限りでもない。(例えばフロップ♠T♠9♠8、ターンで♠が落ちた場合等は、Tがヒットしてもチェックに留める。)ドローはオープンエンドストレートフラッシュドローでない限りはチェックします。

 

実戦と結果

エンパイアカジノでやろうと思いましたが、カジノパリスにEvolution Gamingが入っているものの、テキサスホールデムボーナスポーカーはありませんでした。よってピナクルカジノでやることにしました。ANTEは$0.5の最小ベットで上述の戦略通りに実戦します。

 

2月24日の実戦

数ハンド後早くも間違えてしまいます。9,3オフスーツはフォールドに該当しますが、間違ってベットしてしまいました。しかしフロップで9がヒットし、そのまま押し切りました。結果的にはラッキーでしたが、戦略上は操作ミスです。

 

フロップでA,Qをヒットさせ、さすがに勝ちだろうと思っていましたが、何とフラシュで捲られてしまいました。この他にも相手によくストレートで捲られるケースが多かったです。

ここまで33ハンドやり、9勝23敗1分(13敗のうちフォールドは2回含まれる。)で-$22です。

 

2月25日の実戦

今日はKRISTINAという美人ディーラーと対戦です。相性良かったですね。何もヒットしないのに相手も何もヒットせずハイカード勝負になり、5番目のハイカード7で勝ちとなりました。

 

これはボトムヒットとは言え、ベットするのは嫌でしたね。しかしルール通りにベットしました。

 

ターンでAが落ちてツーペアになったと思いきや、リバーでKが落ちてボードでAKのツーペアができてしまいました。こうなると8のペアはまがい物になり、キッカー負けとなってしまいました。ポーカーをやっていると分かるのですが、ボトムツーペアというのは意外に捲られやすいです。

 

何も期待していなかったハンドが、ボードに4枚のクラブが出てフラッシュになったハンドもありました。向こうのテーブルに先程のディラーが行ってしまいましたが、見とれていました。

今日は35ハンドやり17勝18敗(18敗のうちフォールドは7回含まれる。)で+$5.5でした。

 

2月26日の実戦

このようなスモールペアのアクションは難しいです。しかしマイルール通りベットしていきます。

 

結果は相手がKをヒットさせて負けです。

 

このハンドはトップヒットでさすがに勝ちだろうと思っていたら、相手はストレートでした。本当のポーカーでもこのタイプのストレートは見えにくいので、難しい決断を迫られていたと思います。他にも4のポケットペアも配られましたが、やはり勝てませんでした。

今日は32ハンドやり12勝20敗(20敗のうちフォールドは4回含まれる。)で-$11.5でした。

 

3日トータルの結果は100ハンドやり38勝61敗1分(61敗のうちフォールドは13回含まれる。)で-$28でした。合計賭け額は$170.5でしたので、実戦の還元率は(170.5-28)/170.5≒0.836で約83.6%でした。

 

考察

作戦はお世辞にもうまくいったとは言えません。やっていて少々不運な展開が多いように感じがしましたが、やはりANTEがストレートより弱い役で勝った場合は配当が付かないというのが大きいと感じました。

勝つ時は1か2ドル、負ける時は1.5か2.5ドルというのが多く、これはANTEの分なのです。中々ストレート以上の役で勝つことは無く、やればやるほどANTEの分のロスは大きくなります。これをどれぐらい練り上げた作戦でカバーできるかが鍵でしたが、残念なことに実戦の還元率は理論上の還元率より悪いものとなってしまいました。100ハンドでは運が大きいためこ、れぐらいの負けはまだぶれ幅の範疇だと思いますが、それでも作戦が良かったとはお世辞にも言えません。今回は私の負けです。

このゲームはANTE配当の控除率が想像以上に大きく(それだけストレート以上の役で勝つことが少ない)、この控除率を上回る戦略は無いように思えます。つまりやればやるほど負けるということです。厳しいですね。

尚カジノゲームのポーカーでなく、ユーザー間の本物のポーカーを楽しみたい方はオンカジレコードを紹介しますのでご参照下さい。

コメントは受け付けていません。