熔ける大王製紙前会長井川意高の懺悔録を読んでみて

 

オンラインカジノでバカラをやってみて

先月はベラジョンカジノでよくバカラをやっていました。

最初の日は$20くらい勝っていたのですが、次の日は$10くらいの勝ち、次の日はトントン、次の日は$30くらいの負け、・・・・・・、最後は$100以上の負けとなっていき、やればやるほどその日の負け額が大きくなっていくという結果になりました。

最初は少しでも勝ちたいという意思が働き運良く少し勝てたのですが、運はそう長続きせず結局は負ける日もでてきて、その負けを取りかえそうと賭け金を大きくして、取り返せる時もあるのですが、負ける時は更に賭け金が大きくなるといった具合でした。

私の場合はそれほど資金に余裕があるわけではなく、トータルの負け額は$200以内で済んだのですが、ここには面白いギャンブル中毒の心理が垣間見えているところだと思いました。

「負けた分を取り返そう」というのがその心理です。何か悔しいですよね。バカラのような運だけのゲームに運で負けてしまうなんて。

 

バカラのような半丁ゲームは、技術介入の要素がないので、勝ったり負けたりを繰り返しながら、結局は大数の法則が働きハウス分マイナスになってしまうものです。

やっているプレイヤーの心理からしますと、自分の資金をコントロールして賭け金の上限を決めて、ずっとプレイするということは意外に難しく、どこかで(特に負けている時)大きく勝負したくなります。

カジノと個人では資金力の差が違いすぎますので、資金が大きくなってカジノ側とプレイヤー側をいったりきたりしているうちに、最後に受けてたてなくなってしまうのはプレイヤーの方です。

例えばプレイヤーの資金が$1000あったとして、$1000賭けて勝ったとしても、カジノ側は次の$2000を受けて立つことは可能です。次の$4000を受けて立つことも可能です。しかしプレイヤーが負けてしまったらそれで終わりですからね。

 

熔けるを読んで得た教訓

バカラと言えば真っ先に思い出すのが大王製紙前会長の井川意高ですが、この人はどんな人だったのか、勝負していた時の心理はいかなるものだったのか汲み取りたいと思い、熔けるを読んでみました。

井川意高氏とは大王製紙の御曹司で、東大現役卒、42歳で社長になり、いろいろな有名人や女性芸能人と交遊があった方です。大王製紙のエリエールは有名で私も家で使っています。

2011年9月頃連結子会社から数十億も借り入れていたことが発覚して、世間に明るみにされました。私もこの時期始めてこの井川氏のことを知ったのですが、金持ちのぼんぼんで不肖の御曹司というのが最初のイメージでした。

しかしこの本を読んでみますと、井川意高氏はやることはやってきた人間だったんだなという風な見方に変わりました。子供の頃から大会社を継ぐプレッシューを受けて、東大に入るくらいの学力を身につけて、会社に入ったら誰よりも本気で仕事に取り組んできたんだなと、寧ろ尊敬の念さえ浮かんできました。思った以上に人間味のある人でした。

特にビジネスに関してp97の「数字を冷静に分析し、正しい戦略と方法論を実行できれば、収益を上げられるのだ。」とう一文は好きです。

普通の人には見られない、カジノ映画に出てきそうなVIPルームの描写や、ジャンケットの事なども書かれていたため、「へー」という感じでした。

宮沢りえや市川海老蔵などの井川氏にとった強烈な悪態は印象的で、それらをフォローしながらも、芸能人の裏の顔が見れる一面があるのも面白いところでした。少し皮肉が込められているような感じもしましたけどね。

 

ただ井川さんという方は元々ギャンブルの好きな方で、ギャンブル依存症の癖があり、たまたま億単位のカネを動かせる立場だったから、106億8000万円もの負けを作ってしまったんだなというのが伺えました。最も普通の人ではそこまで貸付してくれませんけどね。別の見方をしますと金持ちだろうが貧乏だろうがギャンブル依存に陥る心理は一緒ということになります。

暴君の父の元で一緒に育った弟は、一緒にオーストラリアのカジノに行った時「リミッターをはずすことなく自分が定める上限をきちっと守っていた。」というのが対象的で、ギャンブル依存症は環境ではないんだななんて思いました。

 

バカラに対しては、「勝つか負けるかは運次第」「偶然性と勘頼み」という見解は私と全く同じで、やはりバカラには頭を使う余地や技術介入の余地、或いは流れを読むなんていう余地はなく、ただの運ゲーなんだと改めて思いました。

 

井川さんは初めてのカジノで100万円を2000万円にし、ある時はラスベガスで70万円を一時2000万円まで増やしたそうです。このような短時間で一気に増やすような賭け方をすると、やはり最後は大負けするんだなというのがこの本から得た私の一番の教訓です。FXでハイレバレッジをかけて強制ロスカットになるのと何か似ています。

 

現在大王製紙は井川家からは独立してしまったみたいです。借金を全ての株式を売却して完済したにも関わらず、2013年6月26日に井川氏は会社法違反(特別背任)の罪で懲役4年の判決が言い渡されましたが、現在はもう出所しているはずです。

再チャレンジする気力と体力は残っているはずだとありますが、前向きな姿勢でいいですね。塀の中で何を見てきたのか、今後はどのようにご活躍されるのか楽しみです。

 

「バクチをやる人間は結局のところ皆バクチに向いていない」のだろう。「バクチをやらない人間ほどバクチに向いている」のである。とはずっと心に響く重い言葉でした。

バカラの自分なりに立てた戦略と実践結果

先週バカラの出目を見ながら考えて、とある戦略を思いつきましたので実践してみました。

 

私の考えたバカラ戦略

まず実際のライブカジノの出目から考察を見ていただきたいのですが、どちらかが連勝する確率は7連勝あたりから急に低くなります。

連勝数 プレイヤー連勝記録 バンカー連勝記録 両者の合計
3連勝 10回 12回 22回
4連勝 7回 5回 12回
5連勝 2回 5回 7回
6連勝 4回 2回 6回
7連勝 1回 0回 1回

もう一度表を再掲載します。

 

そこでどちらかが6連勝したら逆張りしようという戦略です。

それだとまだ心もとないので、最初の賭け金を$10とし、3回分のマーチンゲール法を組み合わせました。

例えばバンカーが6連勝したとします。(タイは除く。)

次の勝負はプレイヤーに$10賭けます。そこで勝てば回収ですが、負けた場合は次の勝負プレイヤー勝ちに$20賭けます。ここで勝った場合も回収です。

それでも負けてしまった場合は次の勝負プレイヤー勝ちに$40賭けます。勝てば回収ですが、負ければここで素直に負けを認め終了ということにします。

つまりどちらかが9連勝すればこちらの負けとなることになります。

 

この戦略を立てた理由

なぜこんな無謀そうな戦略を立てたのかといいますと、二つの理由があります。

一つは先週出目を見て、適当に流れを見て賭けたのですが、多少は浮いたものの負ける時はしっかりと負け、バカラに流れはないという結論を出したからです。

流れとは結果から見てこじつけたものであり、今の勝敗結果が後の勝敗結果に及ぼす影響はないということです。

最も流れなんてものがあればバカラに必勝法が存在して、皆勝ててカジノが潰れてしまいますけどね。

しかしバカラは従属事象のゲームです。ここに二つ目の理由があります。

ライブバカラはライブブラックジャックのように、使われたカードはシューへ戻されず、ディスカードホールダーへ入れられます。

これはどういうことを意味するのかといいますと、次のゲームはシューのカード構成が変わっていることを意味します。

一方シューのカード構成が変わらない(前の状態と同じ)ゲームを独立事象といいます。

では独立事象と従属事象ではどう違うのかといいますと、独立事象の場合は始めも終わりも無く、全く同じ状態での試行が繰り返されるため、結果に対しての偏りというものが大きいです。これはルーレットで赤がずっと続く時や黒がずっと続く時が意外なほど多いのと一緒です。

しかし従属事象の場合はカード構成に変化があり、8デッキのカードがなくなる頃(実際はカットカードが現れた時)にそのラウンドが終わるため、独立事象に比べて結果は収束しやすいのではないかという仮説が立ちます。収束とはプレイヤー1:バンカー0.95の比で勝つということです。(バンカー側には5%のコミッションがあるため。)

実際にはそんなふうにいかないのは100も承知ですが、独立事象に比べると収束へ向かう力は強い気がします。

つまりまあ6連勝もしたなら次は収束からして負けるだろうということです。

 

いざ実践してみて

ベラジョンカジノのカジノパリスで、バカラA、B、スピードバカラA、Bと4つのテーブルを立ち上げて機を伺っていましたが、左下のテーブルにチャンスがきました。

 

前回まで6回連続でバンカーが勝っていますので、予定通り今回はプレイヤー勝ち$10ベットします。

 

結果はバンカーが勝ち、負けベットになってしまったので、次はプレイヤー勝ちに$20をベットします。

 

ひどいですがこのゲームもバンカーが勝ち、負けベットになってしまいました。

次はいよいよ最後の$40ベットです。嫌な予感がしましたよ。

 

何と次もバンカー勝ち。

「はあー」という感じです。

 

マーチンゲール法は負けが加速すると恐ろしいので予定通りここでベットは止めてしまいましたが、次にプレイヤーが勝ち断ち切ったみたいです。

物凄く悔しい負け方ですね。つかなかったとしかいいようがありません。最悪でした。

 

一番最初の実践で負けててしまったのですから、さすがに力が抜けましたよ。$70勝てば止めるつもりでしたが、最初の回で敗退です。$70の損失でした。

 

考察と感想

今回は負けてしまいましたが、自分で出目から有効な賭け方を研究してみて、それを実践で試してみるというのは面白いと思いました。勝っていれば相当に気分が良かったと思います。従属事象の方が独立事象よりも確率のバラツキは少ないという仮説は当たっていると思いますが、やはりカジノゲームは負ける時は負けるといったところでしょうか。

しかしここまでダメだったら負けを認めるとした上で、戦略を立ててベットするのであれば、マーチンゲール法も有力な攻略法だと思いました。大切なのは最初に戦略を立てるということです。そして負けの線引きをあらかじめ決めておくことです。でないとずるずると負けがかさんでしまいますからね。

最後に面白い連勝結果を見せます。

何とプレイヤー側の12連勝です。こういうことが有り得なそうで有り得るのですね。これを見てもやはり負けの線引きを決めておくのは重要だと思いました。

バカラでは本当に5%のコミッション分バンカーが有利なのか?

バカラを始めてみた時、なぜこのゲームはバンカーが勝った時だけ5%のコミッションが取られるのか?

5%のコミッションを取られるくらいバンカーが本当に有利なのか?

と誰しもが疑問を持つと思います。ここではその疑問を考えてみました。

まずは以下の表を作って考察してみました。

 

 

バンカーのアクションはどちらに有利に働くか考察

以下の表はバンカーの3枚目カードを引くかどうかのアクションが、どちらに利があるかを色分けしたものです。升目の数字はプレイヤーの最初の2枚の合計点数です。

プレイヤー有利がブルー系、バンカー有利がグリーン系となります。

白抜きはバンカーが3枚目のカードを引く前が同点で、3枚目のカードを引くアクションがどちらに利か不明なので白抜きとしました。

例えばプレイヤーの2枚の合計点数が5点(升目)で、バンカーの2枚の合計点数が4点(縦軸)、プレイヤーの3枚目のカードが6(横軸)だったとします。これですとバンカーは3枚目のカードを引く(ドロー)することになります。プレイヤー1点対バンカー5点で、このままバンカーが3枚目を引かな(スタンド)ければバンカーが勝ちのため、ドローすることはバンカー不利でプレイヤーに有利です。(スタンドだと逆転の目がないため。)よってネイビーブルーで表示されます。

もう一例挙げますとプレイヤーの2枚の合計点数が2点、バンカーの2枚の合計点数が5点、プレイヤーの3枚目のカードが2だったとします。これですとバンカーはスタンドすることになります。プレイヤー4点対バンカー5点なので、このスタンドはバンカーに利があることになります。(ドローだとプレイヤーに逆転の目が生じるため。)よってグリーンで表示されます。

 

バンカーのアクションはどちらに有利に働くか
プレイヤーの3枚目のカード
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 なし
バンカーの合計点 0点
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
6
7
1点
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
6
7
2点
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
6
7
3点
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
6
7
4点
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
6
7
5点
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
6
7
6点
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
6
7
7点
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
0 1 2
3 4 5
6
7

Dバンカー有利 Dプレイヤー有利:ドロー(カードを引く)

Sバンカー有利 Sプレイヤー有利:スタンド(カードを引かない)

 

こうしてみますと緑の方が青よりも多く、バンカーの3枚目のカードを引くかどうかのアクションは、バンカーに利が多い感じがします。5%のコミッション額というのが妥当かどうかは分かりませんが、バンカーの2枚の合計点数とプレイヤーの3枚目のカードでバンカーがアクションを決めるというのは、この数字に近似させるためと考えられそうです。

 

実際のライブカジノの出目から考察

実際には場合分けが多すぎて、どちらがどれだけ有利か計算できませんので、実際のサンプルの結果から考えてみます。以下ランダムな7ラウンドの出目のサンプルです。

1)

2)

3)

4)

5)

6)

7)

 

これから分かることは、大体どのラウンドも70ハンド前後で終了(カットカードが出てくるまで)し、バンカーが多く勝つラウンド(1、3、6、7)もあれば、プレイヤーが多く勝つラウンド(2、4、5)もあるということです。

7ラウンド(476ハンド)のバンカー勝利数の合計は、34+30+32+23+28+35+36=218ハンド、プレイヤー勝利数の合計は、29+31+26+38+38+29+32=223ハンド、タイの合計は、3+5+8+6+3+6+4=35ハンドです。

意外にもバンカー勝利数よりもプレイヤー勝利数の方が多く、7ラウンド(476ハンド)くらいでは確率通りに収束しないことが分かります。

タイベットは賭け金1に対して8の配当になりますが、それですと控除率を考慮しなければ1/9≒0.1111の当たる確率にならなければなりません。しかしこの例では35/476≒0.0735と大分小さく、タイベットは控除率が大きくて損なのではという感じがします。

次に連勝記録を見てみます。

連勝数 プレイヤー連勝記録 バンカー連勝記録 両者の合計
3連勝 10回 12回 22回
4連勝 7回 5回 12回
5連勝 2回 5回 7回
6連勝 4回 2回 6回
7連勝 1回 0回 1回

この連勝記録はタイは考えないものとします。

この結果は予想通り、連勝数が伸びるほど、その起こる回数は減っていきます。特に7連勝となると中々起こりにくいというのが分かります。

 

まとめ

今回はバカラのバンカー側の5%のコミッションは妥当なのか考えてみました。

バンカーの3枚目のアクションは、どうもバンカーに利がある感じを作成表から得ました。

しかし実際には計算ができないため、ライブカジノの実際の結果から統計的に考えてみました。

7ラウンド(476ハンド)とサンプル数は多くありませんが、プレイヤー勝ち数の方がバンカー勝ち数より大きかったのは少し意外でした。

仮にバンカー側が5%のコミッション分有利だったとしても、これくらいのハンド数では全然収束しないのが分かりました。逆に言うとバンカーに賭けるのは5%のコミッションが取られる分損な感じがします。

どちらか迷ったらコミッションの取られないプレイヤーに賭ける方が良さそうです。