私が小学5年生の頃、担任の教師が「桜田淳子は統一教会に入っているから結婚の自由が無く、教団の定めた人としか結婚できない。」と言ったのを覚えています。「へー。そんなもんなんだ。」と思いながら、「しかし他人が自分の人生を決める権利なんてあるのか。」と何か腑に落ちない所があり、”統一教会”という名を聞いたのもその時が初めてでした。
それから世間話で高額の壺や印鑑を信者に買わせる霊感商法をたまに耳にし、「何か嫌らしい団体だな。自分とは関わり合いを持ちたくないな。」と思うようになりました。
私も今まで一度勧誘されたことがありますが、3時間くらいかけて丁重に断りました。っていいますのは、最初から「統一教会」とは明かさないので、話を聞いているうちに親近感を持ってしまい、断りにくくなってしまうのです。余談ですが、創価学会も2度勧誘されたことがあります。一度目はクラスの友人、二度目は職場の人が連れてきた人です。やはり無碍には返せないので、3時間くらいかけて丁重に断りました。「献金をするのが嫌。」とハッキり言いましたが、「私は進んで献金してますけどね。」と言われ、感覚が違い過ぎるんだなと思いました。
7月8日、奈良市の近鉄大和西大寺駅北口前で、安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃された事件で、容疑者の山上徹也氏が「ある特定の宗教団体を憎んでおり、安倍元首相はその団体と深い繋がりがあると思った。」と動機をほのめかしていました。この団体こそ世界平和統一家庭連合(旧統一教会)で、山上氏の母はその団体に入信し、1億円以上も献金して家庭を崩壊させてしまったようです。ここで久しぶりに統一教会の名を聞いたわけですが、今回は今世間を騒がせているこの統一教会に関して、どういう宗教団体なのか調べてみました。
統一教会の歴史
統一教会の正式名称は、世界基督教統一神霊協会(The Holy Spirit Association for the Unification of World Christianity)である。統一教会(略称)は、1954年に韓国で文鮮明により創設され、日本では1959年から伝道が開始されました。日本では50年近い宣教の歴史があり、数万人の信者がいると推定されています。1963年財団法人の認可を得、世界に広めていきました。
日本では1964年に久保木修己を初代会長にして宗教法人の認可を得、同年全国大学連合原理研究会が創立され、大学生・青年への伝道が活発化していきます。また統一教会は伝道のみならず、政治活動にも積極的に関わるようになり、1968年に国際勝共連合を設立し、反共政治活動を始めました。これによって保守派の自民党大物政治家とも友好関係を築くことになりました。
1974年に統一教会は世界平和教授アカデミーを設立し、言論界に共鳴者を求め、大学人の中には統一教会の経費で国際会議等に出席した者も少なくありませんでした。こうした政治的対外活動には多額の経費がかかり、また韓国やアメリカでの宣教活動にも莫大な資金を必要としました。文鮮明の指示の下、日本の統一教会は資金調達を一手に引き受け、「資金作りをミッションとする信徒」を養成する教会となっていきました。
1980年代以降は霊感商法が問題となり、悪名高き宗教団体としてイメージされるようになり名称を変える必要性に迫られ、1994年5月に世界平和統一家庭連合と名称を変更し、2015年8月26日に文化庁より改称が認証されました。
教義
統一教会の教義は教典「原理講論」に加えて、教祖がこれまでの説教で語った膨大な「御言葉」、及び聖書の参照から構成され、創造原理、堕落論、復帰原理が柱となります。
創造原理では宇宙の根本原理、神の創造目的が説かれ、堕落論では不幸の原因である原罪の真相が解き明かされます。創世記において、エバが善悪を知る木の実を蛇にそそのかされて食べ、その実をアダムにも食べさせると目が開き、二人は裸であることに気付いた。神は、取って食べるなという神の戒めを破ったので二人を楽園から追放したという、あの箇所です。文鮮明は、蛇とは後にサタンとなる堕天使にして元天使長のルシファー(統一教会ではルーシェルという)であり、人類始祖のエバがそそのかされて食べた禁断の果実とは、ルシファーとの禁断の愛であったと断じます。神様はアダムが一人でいては寂しかろうと、アダムのあばら骨からエバを作ってくれたのであるから、エバはアダムの伴侶ですが、エバはルシファーと不倫をおかし、次いでアダムとも慌てて性関係を持つなど堕落しました。そして、サタンからエバ、エバからアダム、人類の始祖から子孫たる全人類に神に背いた悪の血統が相続され、人間が罪を犯すのはサタンの血をひく末裔(まつえい)のゆえとされます。そして韓国はアダム国家、日本はエバ国家となっています。
もちろん、このような堕落の真相やそれが原罪だといった説明は、聖書に全く書かれていません。では、何を根拠としているのか。これは文鮮明がイエスや神から直接聞き及んだ話だということになっています。そう言われてしまうと聞く側としても、ひとまずなるほどと聞いておくよりないのではないでしょうか。
神は人間を神の側に取り戻す計画を考えられたそうだ。救世主の派遣である統一教会によれば、イエスは人間の娘を娶って善なる子孫を残す予定であったが、人間の不信により十字架で殺害された。そこで神は計画を変更せざるを得ず、イエスを天にあげられ、イエスの復活を信じるものたちに霊的救済のみを約束されたのだとする。しかし神は人類の肉体も含めた完全な救済(復帰の摂理)をお考えになり、人類に再臨主を遣わした。その再臨主こそ私であるというのが文鮮明の言である。
規模
統一教会は世界的で200近くの国と地域で活動されていて、信者は300万人以上とされています。その中で一番多いのは日本の信者で60万人とされています。
- 日本 60万人
- 韓国 30万人
- フィリピン 12万人
- コンゴ共和国 11万人
- アメリカ、タイ 10万人
- アフリカ 急増中
尚フランスでは反セクト法により、ロシアでは対テロ法により規制されています。
宗教国内信者数ランキング15位
【1位】幸福の科学/11000000
【2位】創価学会/8270000(世帯)
【3位】立正佼成会/3111644
【4位】顕正会/1670000
【5位】霊友会/1390248
【6位】佛所護念会教団/1240689
【7位】天理教/1209421
【8位】パーフェクトリバティー教団/934489
【9位】真如苑/909603
【10位】世界救世教/835756
【11位】崇教真光/800000
【12位】妙智會教団/654046
【13位】世界基督教統一神霊協会/600000
【14位】生長の家/586973
【15位】円応教/456902
統一教会の国内信者ランキングは13位となっています。
統一教会に関係する人物
文鮮明
世界平和統一家庭連合(旧・世界基督教統一神霊協会。通称統一教会。)、国際勝共連合を含む統一運動の創立者。20世紀後半の最も目立った新宗教の指導者の1人であり、統一教会の信者にとっては、地上に再来したメシア、第三のアダム、再臨の主であり、彼と妻の韓鶴子は真の父母であると考えられています。しかし他方では第一級の宗教的詐欺師であり、陰謀によって会員や元会員、その家族たちの人生を台無しにしてきた悪徳商人であると捉えている人々もいます。釜山ボンネッコルで「原理」の説教を始め、1954年5月1日に「世界基督教統一神霊協会」(通称統一教会。)を設立しました。1960年3月16日に当時17歳の韓鶴子と結婚し、この時期以降「合同結婚式」を開始しました。1968年に下部組織として、「国際勝共連合」を設立。1975年に文鮮明が出した送金命令により、日本の統一教会は過酷な集金・違法な商売を行いアメリカ・韓国等の統一教会の活動に多額の資金を送金しましたが、後に霊感商法で大きな社会問題となりました。2012年9月3日、肺炎などの症状によって92歳で生涯の幕を閉じました。
韓鶴子
文鮮明の三番目の妻で、世界平和統一家庭連合、関連団体である世界平和女性連合、天宙平和連合の総裁。統一教会においては歴史上初めて完成した女性として全人類の「真の母」と意義付けされ、教団内では「真のお母様」と呼ばれています。文鮮明との間に14人の子供をもうけました。日本には度々来日しています。
田中富広
世界平和統一家庭連合日本教会第14代会長です。安倍晋三銃撃事件後の2度ほど会見しましたが、「過剰なメディア報道によって、当法人の信徒から様々な被害が報告されている。」とか「霊感商法は過去も現在も行ったことはない」とか「世界的な活動の資金が日本が全て背負っているという事実はない。」とか言い訳がましい発言ばかりでしたが、政治に友好団体が強く関わってきたことは事実だと認めました。
日本の政治との結びつき
文鮮明は自由民主党の安倍晋三元総理大臣の祖父である岸信介と盟友であり、1950年代から日本の政界と協力していました。岸の自宅付近には統一教会の施設が存在し、そこで岸は交流会や講演会などを行っていました。統一教会は現在に至るまで、国際勝共連合等の関連団体やダミー団体を通じて、自由民主党等の保守政治家と密接な関係を保ち続けてきました。これは、教団の宣伝・広報に利用されています。統一協会系月刊誌『世界思想』では、「戦後憲法の終焉」「今こそ日本を取り戻そう」等のフレーズが使われ、安倍晋三元総理大臣の写真が過去複数回にわたり表紙に使われていました。
統一教会の機関紙「世界思想」の表紙を飾った安倍首相
霊感商法
ビジネスの最終判断を文鮮明に委ねる神頼みの商売には厳しいものがあり、そこでむしろ宗教活動そのものを経済活動に転換できないかと知恵を絞って考案されたのが、姓名判断や家系図鑑定と絡めた商品の販売です。先祖の因縁や霊障を取り除く、あるいは開運のためといって、1980年代に韓国から朝鮮人参茶、高麗大理石壺等を輸入して販売しました。「不安」をあおり、安易な「癒やし」を差し出せば判断能力は歪められ、人は喜んで搾取され続けるのという心理状況に対して、現代人はあまりに無防備でありました。このやり方が霊感商法で、80年代後半からは社会問題となって浮上してきました。
1987年に全国霊感商法対策弁護士連絡会が結成され、これまで商品の返還交渉や損害賠償請求の提訴が行われました。同会の調査によれば、全国の消費者センターや弁護士会に寄せられた2007年までの累積被害総額は、1024億4720万425円に達するようです。山上氏の母親が献金したのもこの一部ということになります。このような宣教資金調達のやり方とそれに付随して広まった悪評により、統一教会は宣教方法すら変えざるを得なくなりました。統一教会=霊感商法というイメージから、名前をそのまま出すと一般市民は警戒して話を聞いてくれなくなってしまったのです。そのため、とりあえず、正体を隠して市民に近づき、印鑑や壺の販売方法で培った手相・姓名判断、家系図鑑定を入り口にして信者を勧誘するという布教方法を採用するに至りました。
2007年から2010年にかけ、霊感商法を行っていた会社が相次いで摘発され、統一教会との関係性も認められました。しかし教会本部まで捜査は及びませんでした。やはり政治の圧力があったのではないかと思われます。
合同結婚式
再臨主は信者をどのように救済しているのかと言うと、ここで登場するのが有名な「合同結婚式」です。「祝福」とも呼ばれ、文鮮明が統一教会員同士をその場で指名して、あるいは写真を見てマッチングする。信徒はどんな相手であっても再臨主が選んでくれた最高の伴侶として結婚しなければなりません。このような家庭から「無原罪の子」が生まれるとされます。文鮮明夫妻を真の親とする信者の家庭によって神の王国は建設され、地上天国が実現されるというのです。
教団の公式発表では、1960年から今まで37回にわたり国際合同結婚式が挙行され、祝福にあずかったカップルは30億組を優に超えるとされます。1998年6月13日、アメリカのマディソンスクエア・ガーデンで3億6千万組の第1次世界祝福式が行われ、翌1997年2月7日、ソウルの蚕室オリンピック・メインスタジアムにおいて3億6千万組国際合同祝福式がありました。なお生きている人だけではなく、既に霊界に住んでいる人たちも先祖解怨という統一教会の儀式を通して救われ、祝福を受けているものもいるとのことです。統一教会は、Blessingと書かれたコーヒー・フレッシュ状の入れ物に入った赤い液体を多くの人に配っており、もらっただけでも祝福にあずかったことになると言います。
統一教会と関係のある議員
旧統一教会と接点のあった議員は106人で中82人は自民党で約8割を占めています。岸田総理は7月10日に内閣改造して刷新を図りましたが、閣僚7人と副大臣、政務官計20人が教団側と関わりがあることが判明しました。
旧統一教会と接点のある政務三役の国会議員35名一覧
【総務大臣 寺田稔】旧統一教会関連団体の会合に会費2万円を支出
【法務大臣 葉梨康弘】旧統一教会関連団体の雑誌にインタビュー記事掲載
【外務大臣 林芳正】旧統一教会関連団体の取材を受けた
【厚生労働大臣 加藤勝信】旧統一教会関連団体に会費3万円を支出
【環境大臣 西村明宏】旧統一教会関連団体の会合で代表世話人を務める
【経済再生担当大臣 山際大志郎】旧統一教会関連団体会合で会費1万円を支出。別イベントでは来賓挨拶も
【経済安全保障担当大臣 高市早苗】旧統一教会系雑誌で対談
【地方創生兼沖縄・北方担当大臣 岡田直樹】秘書が旧統一教会関連団体会合にメッセージを送ったり出席
【官房副長官 木原誠二】地元秘書が旧統一教会関連団体会合に出席
【官房副長官 磯﨑仁彦】旧統一教会の創始者らの生誕を祝う会に出席
【デジタル副大臣 大串正樹】旧統一教会関連団体に6万円分のパーティ券を購入してもらった。関連団体のイベントにメッセージを送った
【内閣府副大臣 和田義明】旧統一教会関連団体のクリスマスチャリティーイベントに祝電
【内閣府副大臣 星野剛士】旧統一教会関係者から選挙支援を受けたり、関連団体集会に祝電。集会に秘書が代理出席
【外務副大臣 山田賢司】自身のパーティ券を、旧統一教会関連団体に購入してもらう
【文部科学副大臣 井出庸生】旧統一教会関係者から選挙応援を受けた
【農林水産副大臣 野中厚】旧統一教会関連団体会合に出席
【経済産業副大臣 中谷真一】旧統一教会関連団体イベントに出席し、あいさつ
【国土交通副大臣 豊田俊郎】旧統一教会関連団体イベントに出席し、あいさつ
【国土交通副大臣 石井浩郎】旧統一教会関連団体会合に出席し、あいさつ
【環境副大臣 山田美樹】旧統一教会関連団体の会合の冒頭に出席
【環境副大臣 小林茂樹】旧統一教会関連団体イベントの実行委員長を務めた
【デジタル政務官 尾﨑正直】旧統一教会関連団体会合に出席し、あいさつ
【内閣府政務官 鈴木英敬】旧統一教会関連団体会合に祝電が届いたことが、会合の司会者によって紹介されている
【内閣府政務官 中野英幸】旧統一教会関連会議に複数回出席し、あいさつ
【総務政務官 国光あやの】旧統一教会関連団体会合に祝電
【総務政務官 杉田水脈】旧統一教会の関連施設(米国)で講演
【総務政務官 中川貴元】旧統一教会関連団体のフォーラムに出席
【法務政務官 高見康裕】旧統一教会関連団体のフォーラムに出席
【外務政務官 高木啓】旧統一教会関連団体会合に秘書が代理出席
【外務政務官 吉川ゆうみ】旧統一教会関連団体会合に祝電
【文部科学政務官 山本左近】旧統一教会関連団体会合に祝電
【国土交通政務官 古川康】旧統一教会関連会議に出席、祝電
【国土交通政務官 清水真人】旧統一教会関連団体イベントに祝電
【環境政務官 柳本顕】旧統一教会関連団体会合に出席
【防衛政務官 木村次郎】旧統一教会関連団体会合に出席し、会費1万5000円を支出
萩生田光一政調会長
萩生田氏は、参院選の公示直前の6月、地元・東京都八王子市の旧統一教会関連施設を、生稲晃子氏とともに訪れていたことが明らかになっています。2009年から2012年、落選中だった萩生田氏が、旧統一教会の施設を頻繁に訪れ、講演をおこなっていました。その際の萩生田氏はVIP待遇でした。他にも入山聖基氏という旧統一教会の大幹部と友人関係です。8月18日に記者から問われた萩生田氏は、今後の統一教会との関係について「適切に対応する」とだけに留めましたが、それでは有権者は納得いかず、8月24日BSフジのプライムニュースで、「今後は関係を持たずに政治活動をおこなっていきたい。」と兜を脱ぎました。
生稲晃子
参院選の6月頃、当時経済産業相だった萩生田光一政調会長とともに、東京・八王子市の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設を訪れていました。本人はどの団体だったか分からなかったと弁明しております。元おニャン子クラブのメンバーですが、早くも議員としての資質を疑われています。
岸信夫元防衛大臣
旧統一教会との関係をあっさり認めたのがこの人で逆に潔い印象でした。岸信介元首相を祖父に持ち、安倍元首相を実兄に持つ人で、旧統一教会がカルト集団なのは分かっていながら、そのありがたみに抵抗できなかったと言っています。選挙で旧統一教会の組織票がどの候補へ流れるかは、安倍の裁量が極めて大きく、岸信夫には8万票を差配していたようです。今は防衛大臣を外され、内閣総理大臣補佐官になっています。
次々と明るみになる旧統一教会と関係があった立憲民主党議員
旧統一教会と関係があった立憲民主党議員は合計14名で、14人全員が旧統一教会と認識していなかったそうです。これは明らかに嘘ですね。14人のうち岡田克也元外相、枝野幸男前代表、安住淳元財務相、福田昭夫衆院議員の4人は、過去、旧統一教会と関係が深い「世界日報」にインタビューが掲載されていました。また大串博志衆議院議員、古賀之士参議院議員は統一教会の関連団体の催しに祝電を送付したようです。身内がこれでは、この件に関して自民党を深く追求できないのも頷けます。
統一教会と関係のある芸能人
桜田淳子(女優)、飯星景子(タレント)、藤岡弘(俳優)、音無美紀子(女優)、月丘夢路(女優)、椎名桔平(俳優)、なすび(タレント)、竹内結子(女優)、山崎浩子(元五輪新体操選手)、徳田敦子(バドミントン選手)
桜田淳子
1972年中学2年生(14歳)の時に日本テレビの人気オーディション番組『スター誕生!』の秋田県民会館で行われたテレビ予選で牧葉ユミの「見知らぬ世界」を歌い、番組史上最高得点となる573点で合格を果たし歌手デビューしました。彼女は姉の影響で19歳頃から統一教会に入信しており、1992年8月25日にソウルオリンピック主競技場で開催された合同結婚式で会社役員と結ばれました。婚姻後は夫の地元の福井県敦賀市に移り住み、3人の子供を出産しました。
メディア
最初は旧統一教会に関してメディアでは伝えられていませんでしたが、やがて日本テレビ等が暴露し始めました。これに対して旧統一教会は25日2回目となる「異常な過熱報道に対する注意喚起」というリリースをホームページ上で発表し、「信教の自由を無視した魔女狩り的なバッシング行為」などと訴えた批判しました。メディアでは、TBSの『報道特集』『news23』や読売テレビの『情報ライブ ミヤネ屋』を筆頭に、旧統一教会の問題を追及する大きな流れが生まれていますが、一方お上からの圧力がかかり、統一教会の件に関して報じていない報道局もあります。
今回の統一教会と政治の繋がりは、メディアの姿をも浮き彫りにした感じです。以下の報道局は少なくとも、都合の悪いことは報道しない偏ったものを報道していると見なせます。
フジテレビ
「世界平和統一家庭連合」に関する話題を積極的に取り上げ、世間からの称賛を集めている宮根誠司。しか、8月7日放送の『Mr.サンデー』(フジテレビ系)では露骨に「統一教会」を避けるような印象があり、この不自然すぎる状況に、政治的圧力がかかり忖度した感が諫めません。
テレビ朝日
テレビ朝日も7月18日以降『モーニングショー』で、統一教会に関する報道がぴったりと止みました。「政治の力が働いた」と言った、有田芳生氏の出演をキャンセルさせ、急遽別の企画に差し替えました。これは今年の6月社長に就任したばかりの篠塚浩氏の「ツルの一声」で、一切やるなということだったようです。
NHK
NHKも上層部がGOを出さず、この件に関してほとんど報道してきませんでした。権力の圧力があったわけではなく、責任を担う人たち同士で顔色を見合った末に、誰も報道しろとは言わなかったようです。情けない忖度ですね。確かにこれまで、NHKには政治からの圧力が長らくありました。経営委員会は安倍・菅ラインとつながった財界保守層から人が送り込まれ、NHKの会長人事をコントロールしていました。メディアを操ろうとする官邸官僚がNHK上層部とパイプを作り、指示を出していました。しかしこれが無くなった今もNHKの上層部は権力に恐れているようです。
関連団体
原理研究会
統一原理を研究する学生サークルの連合体(非営利団体)で「カープ」と呼ばれています。元々は反共産主義を謳った団体ですが、要は統一教会の布教の基地で、1950年代から活動しています。有名大学には大体あり、日本では70の大学にあるとされています。「カープ/CARP」とは「Collegiate Association for the Research of Principles」の略です。活動の内容は学生新聞を書いたり、信者を勧誘したり、霊感商法、街頭募金をやっているようです。
国際勝共連合
1968年に結成された統一協会の政治関連団体で、日本の右翼陣営と手を結び、反共産主義を掲げて政治運動をしています。機関紙として思想新聞や世界思想を発行しています。現会長は梶栗正義氏です。この反共産主義思想がポイントで、自民党と組んで、選挙においては組織票を投じたり、ボランティアで選挙活動を手伝ったりし、政治に食い込んでいきました。また議員に無償で働く秘書を送り込んだりもしました。自民党としても有難い存在で、この団体のカルト性は知っていながらも見てみぬふりをして利用してきたということになります。そして旧統一教会はこのように政治と手を結ぶことで、問題を表ざたにされることなく生き永らえてきたということです。持ちつ持たれつの関係です。先の政治の圧力もこの一例です。そして中でも強く関わってきたのが、安倍派(清和政策研究会)所属の議員です。統一教会は選挙となれば数万から十数万の票を持っており、安倍元首相はここ何回かの参院選で、当落線上にいる安倍派の候補者に、統一教会の固い票を割り振ってきたとされています。教団の票がなければ落選していた議員が一定数いるはずで、また地方議員にとってはより重みを持った可能性があります。
世界日報
文鮮明の指示により、統一協会と国際勝共連合が出資して、一般紙を目標に1975年1月1日に設立された世界日報社により発行される新聞です。
まとめ
統一教会は文鮮明を教祖として設立した団体で、教義はキリスト教をもじって、自分がキリストの再来であり、人間は生まれながらにして悪であり、それを浄化させるために人は罪を償わなければならないとしています。その行為が教団への献金だったり、布教活動、霊感商法だったりまします。その先には合同結婚式があり、信者にとっては晴れての舞台だそうです。日本人信者は60万人いるようです。大学の原理研究会や街中で正体を隠して布教活動を行っています。しかし教団からしてみたら日本はただの資金集めの場所でしかないようで、集められた多額の資金は韓国やアメリカの布教活動に利用されているようです。
そしてこの団体は政治とも癒着をもってきました。中でも自民党議員が8割を占め、選挙で応援するかわりに、自分等を政治の圧力で守って貰うという関係でした。
統一教会は1990年代に霊感商法で世間からは悪いイメージが持たれましたが、世界平和統一家庭連合と名称を変更し、それからは今まで表に取沙汰されることなく存在してきました。しかし中身は旧統一教会そのもので、安倍派(清和政策研究会)の議員を中心に政治との癒着を強めてきました。
今回は旧統一教会に恨みを持つ山上徹也氏が、旧統一教会と深い繋がりがある安倍元首相の銃撃事件で、これらを一気に世間に暴露した形になります。こんなことを言っては不謹慎ですが、今回の銃撃事件はそれなりに意義があったのではないでしょうか。少なくとも教団にしてみれば相当な痛手で、これから警戒して入信者が減ることが予測され、日本でまとまった資金を集めるのも難しくなりました。山上徹也氏にしてみれば十分に目的を達成させることができたのではないでしょうか。そして今回の件は政治と宗教の関わりという大きな問題を露呈することとなりました。
疑問
これからも政治と旧統一教会は結びついていくのか?
自民党は8月31日の役員会で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や関連団体と一切関係を持たないとする基本方針を決めました。方針を順守しない所属国会議員には、離党を求めることも含め厳しく対応するようです。基本方針は岸田首相の指示で策定し、「今後、旧統一教会や関連団体とは一切関係を持たない」と強調しました。
これを受け同日、7月の参院選の比例代表で当選した自民党の井上義行議員が「今後は党の方針に従って、一切の関係を断ちます。」とコメントを発表しました。井上氏は選挙期間中の7月6日、さいたま市文化センターで開催された旧統一教会の集会に参加し、幹部から「うちの教会、うちの組織もたくさん問題があります。この問題を支援してくださる方が井上義行先生でございまーす。井上先生はもうすでに信徒となりました。私も大好きになりました」と持ち上げられ、会場からは「井上義行コール」が沸き起こったのは記憶に新しいです。井上氏は安倍の元首相秘書官で、2019年の参院選に全国比例から出馬したが、約8万8000票で落選しました。しかし7月の参院選は、旧統一教会の全面支援を受けた結果、3年前の2倍近い16万5000票余りを獲得し当選しました。しかし今回が旧統一教会が社会問題化すると、一転絶縁宣言です。旧統一教会の支援で当選した井上氏は6年間の議員生活を手に入れ、その間手にする歳費は1億3080万円。さらに月100万円の調査研究広報滞在費、年間780万円の立法事務費が加わり、これだけで2億4960万円の収入になります。保身のためなら、なりふり構っていられなかったようです。
また、9月2~4日、読売新聞社が実施した全国世論調査で、安倍晋三元首相の国葬を実施することに、「評価しない」が56%(前回調査46%)で、「評価する」の38%(前回49%)を逆転しました。このことは旧統一教会と自民党の関係がどんどん明るみになるに従って国葬に反対する人が増えて言ったのは明らかです。外国から来る要人の警備費や滞在費も含めると100億円以上もかかるという声もあり、総理は説明責任を果たす責任がありますが、臨時国会は開かず、閉会中審査のテレビ中継での説明に留めるようです。
旧統一教会との関係を一切断つにもかかわらず、国葬を行うなら、少なくとも安倍氏と旧統一教会の関係を精査すべきでないかという質問に対して、総理は「御本人が亡くなられた今、十分に把握するということについては、限界があるのではないかと思っています。」と答えました。つまり精査しないということです。本当に一切断つならその証として、これはやって貰いたいところです。どうも口では言うものの、すぐには完全には断ち切れないというのが実情だとお思います。岸信介の頃からズブズブだったのですから、逆にすぐに断つというのは無理があると見るのが自然だと思います。
暴かれてしまった旧統一教会は、これから日本で信者の拡大、献金集めを続けていけるのか?
今回の件で暴かれてしまって、旧統一教会は日本で信者の拡大、献金集めは相当やりにくくなったのは確かだと思います。追い詰められてる感は諫めません。しかし日本人はスピリチュアルに弱く、彼らは何かしら形を変えて勧誘し続けるのではないかと思われます。宗教の自由が認められている日本ほど集金しやすい所はないからです。
霊感商法はどうなっていくのか?
今までは消費者庁が霊感商法に対して後手に回っていましたが、河野太郎消費者相は4日のフジテレビ番組で、「(宗教団体の)解散命令まで消費者庁が関わったり、解散命令まで踏み込めと文部科学省に働きかけたりすることになるかもしれない」と語っていました。しかしどれぐらい本気かは分かりません。法的に改正されるのかも分かりません。少なくとも今までよりも規制が入るのは確かだと思います。