ブラックジャックの基本戦略とその実戦

 

ブラックジャックの現状と基本戦略

ブラックジャックはカジノゲームの中でも最も人気の高いテーブルゲームで、毎年900億ドル近くが賭けられていると言われています。アメリカの人口から考えて1人当たり毎年275ドルも賭けているのです。

しかし結果は残念ながら思わしいものではなく、毎年20億ドルほどカジノ側が勝っているというのが現状です。

ブラックジャック攻略と言えばまずカードカウンティングが思い浮かばれますが、ここではそれ以前に遡り、基本戦略を見ていこうと思います。

基本戦略(ベーシックストラテジー)というのは、残りのデッキの状態に関係なく、プレイヤーの最初の2枚のハンドと、ディーラーのアップカード(最初の表向きのカード)から、期待値に基づいた最善のアクションを取っていく戦略になります。

カードカウンティングがゲーム間が従属事象なのに対して、基本戦略は独立事象ということになります。

 

基本戦略の歴史

1950年代当時のブラックジャックプレイヤーのプレイはとてもお粗末なもので、12や13でのヒットは普通、8のスプリットはほとんど見られずスプリットされるものは10が多い、A5などのソフトトータルでのダブルはまず見られない、といったものでした。

1953年になってボールドウィン、カンティー、マイゼル、マクダーモットの4人の陸軍数学者がブラックジャックの研究をはじめ、3年間の膨大な計算結果を元に発表されたのが基本戦略(ベーシックストラテジー)というものです。『Journal of the American Statistical Association』の「The Optimum Strategy in Blackjack」の中でoptimum strategyとして紹介しています。

これはとても優秀でシングルデッキでは期待値は0%(トントン)になるまでに至りました。それまで最も最適な戦略でも-3.6%だったので飛躍的な向上と言えます。発売当時その本を手に取ったソープ教授がラスベガスの旅行中に実践検証してみたら、初期投資は消えなかったという結果になっています。

 

その後何人もの人がプレイを検証し、設定やルールに対応していき、いくつもの基本戦略が生まれましたが、そのほとんどはシングルデッキかマルチデッキ対応のものでした。どの基本戦略でも誤差は0.03%と非常に小さいです。ここではシングルからマルチデッキまで全てに汎用できる戦略を紹介します。

 

汎用基本戦略

使用されるカードがランダムでカウンティング等の情報がない時、これに従うことにより最もプレイヤーの成績を高めてくれる戦略。期待値0%で理論上はほぼトントンになります。

ディーラーのアップカード
2 3 4 5 6 7 8 9 10 A
プレイヤーのハンド スプリット A-A Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp
10-10 S S S S S S S S S S
9-9 Sp Sp Sp Sp Sp S Sp Sp S S
8-8 Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp Sp
7-7 Sp Sp Sp Sp Sp Sp H H H H
6-6 H Sp Sp Sp Sp H H H H H
5-5 D D D D D D D D H H
4-4 H H H H H H H H H H
3-3 H H Sp Sp Sp Sp H H H H
2-2 H H Sp Sp Sp Sp H H H H
ハードハンド H17↑ S S S S S S S S S S
H16 S S S S S H H Su/H Su/H Su/H
H15 S S S S S H H H Su/H H
H14 S S S S S H H H H H
H13 S S S S S H H H H H
H12 H H S S S H H H H H
11 D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H H
10 D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H D/H H H
9 H D/H D/H D/H D/H H H H H H
8↓ H H H H H H H H H H
ソフトハンド S19↑ S S S S S S S S S S
S18 S D/S D/S D/S D/S S S H H H
S17 H D/H D/H D/H D/H H H H H H
S16 H H D/H D/H D/H H H H H H
S15 H H D/H D/H D/H H H H H H
S14 H H H D/H D/H H H H H H
S13 H H H D/H D/H H H H H H

Sp:スプリット、S:スタンド、H:ヒット、D:ダブル、Su:サレンダー、Su/H:サレンダー不可のルールではヒット、D/H:ダブル不可のルールではヒット、D/S:ダブル不可のルールではスタンド

※どんな場合でもインシュランスは取らない。

 

この基本戦略には以下の特徴があります。

スプリットに関しては主にディーラーのアップカードが弱い時(6以下)に行われ、Aのペアと8のペアは常にスプリットする。Aのペアは攻撃的な意味合いを持ち、8のペアは半端な16を避けるためのディフェンス的な意味合いを持つ。

4、5、10のペアはどんな場合でもスプリットしないが、これはハンドの価値を下げないため。

ダブルに関しては、プレイヤーが一枚引いて完成されたハンドの勝算が高めの時に行う。

ヒットとスタンドに関しては、プレイヤーがスティッフハンド(合計12~16)で、ディーラーのアップカードが強い時(7以上)は、ディーラーがパットハンド(17~21)になる可能性が高いとみなしてヒットする。逆に弱い時はディーラーがバーストしてくれることに期待してスタンドする。

 

実際は細かいルールによって期待値が微妙に変わるため、以下の条件に合わせて修正します。(初期値のベンチマークの-0.02%から修正)

ベンチマーク -0.02%
ハーフデッキ +0.71%
2デッキ -0.32%
4デッキ -0.48%
6デッキ -0.53%
8デッキ -0.55%
プッシュではディーラーが勝つ -9.34%
ナチュラルでは等倍で支払う -2.32%
ナチュラルは2倍で支払う +2.32%
ディーラーがソフト17をヒット -0.2%
2回以上スプリットができない -0.03%
Aを2回以上スプリットできる +0.06%
ソフトハンドでダブルできない -0.11%
ダブルは10か11のみ -0.21%
ダブルは11のみ -0.69%
スプリット後にダブル可能 +0.13%
サレンダー有り +0.06%

ベンチマーク:ラスベガスストリップのゲームと言われるルールで、シングルデッキ、最初の2枚ならどんなハンドでもダブル可能、ペアAのスプリット後にはカードが1枚ずつ配られる、ディーラーはソフト17をスタンド、サレンダーなし。カードが1枚も出ていない状態のゲームでは期待値は-0.02%で、この状態から修正していけばよい。

 

この修正表で気づくことは、まずはデッキ数が多くなればなるほど期待値が下がるということです。これはシングルデッキの方が1枚取り出された後の残りのカードへの影響力が大きいため、デッキ数が増えるほどその有利差が母数によってかき消されてしまうためです。

例えばプレイヤーが4、6のカードでディーラーのアップカードが5の時、プレイヤーはAか10を引くことを望むと思いますが、シングルデッキの時は20/49(0.408 )の確率なのに対して8デッキの時は160/413(0.387)まで下がってしまいます。

そしてプッシュはディーラーの勝ちとするルールは最悪で、長期的に見てプレイヤーが勝つことはまず不可能と言えます。このルールはチャリティーイベント等でよく採用されます。

 

なぜインシュランスは取らないのか?

インシュランスは基本的にどの戦略でも取りません。なぜなら、インシュランスの結果自体はメインハンドになにも影響を及ぼさず、完全にサイドベットでその期待値は完全にマイナスだからです。

4/13(2)+9/13(-1)=-1/13

単純計算で1回インシュランスをやる毎に、インシュランス代の-1/13が無くなる計算になります。

※しかしカウンティングができる場合はデッキに10が多く残っている場合はインシュランスが有効になてきます。

 

この汎用基本戦略で重要な所は、感情や結果は一切交えず、忠実にこの通りにプレイするということです。例えば16対7が3回連続で出て、3回ともバーストに終わったとしても、次に16対7が出ればやはりヒットしなければいけないのです。長期的に正しいプレイをするということが重要なのです。

 

 

汎用基本戦略の実戦

それでは汎用基本戦略をエンパイアカジノで実践してみます。

これがエンパイアカジノのテーブルゲームのブラックジャックのルールです。

そしてラウンド毎にカードはシャッフルされます。

これに合わせて期待値を修正してみます。

-0.02-0.53-0.03+0.13=-0.45%となります。

つまりこれは100ドルベットすると0.45ドル無くなる計算で、1000ドルベットすると4.5ドル無くなる計算です。

では1ドル賭けで上表に従い1000ドルほど賭けてみます。

 

これが初期資金です。少し少ないですが、4.5ドルしか無くならない計算ですので、これで事足りるはずです。

 

第1戦目

プレイヤーハード14対ディーラー7のアップカードです。上表に従いヒットします。

 

5を引いてハード19になりましたのでスタンドします。

 

ディーラーは4、5、10と引いてバーストとなりプレイヤーの勝ちとなりました。

以下こんな感じで続けます。

 

第15戦目

プレイヤーハード16対ディーラー9のアップカードで、上表に従ってヒットしなければなりませんが、16でヒットするのはやはり辛いところです。

 

幸いにも引けたカードは3だったのですが・・・・

 

ディーラーの引いたカードはAで負けてしまいました。

 

以下は戦績表です。

いざ実践してみたのですが、最初は記入ミスが多く帳尻が合いませんでしたので、$65.33から改めて始めました。

$1ずつ賭け、ダブルは$2という計算です。

そして最終的には$58.33になりました。

65.33-58.33=$7となり大体誤差の範囲だと思います。

 

単勝 304
単負 420
ダブ勝 47
ダブ負 23
プレイヤーBJ 38
プッシュ 80
スプリット回数 18

結果を集計しますとこんな感じになります。尚ミス(アクションによるもの)が4回ほどありましたが、2回負けて2回勝ったのでチャラとします。

 

以下はディーラーのアップカード毎のバースト数です。

2 20
3 20
4 30
5 25
6 28
7 11
8 11
9 18
10 37
A 3

アップカード10はT、J、Q、Kの4種類なので相対的なバースト数は9くらいだと思います。アップカード9でのバースト数は少し多いものの、大体6と7が境界で、アップカード7からバースト数が少なくなってることも分かります。そしてアップカードAになると極端にバーストしなくなることも分かります。

 

考察

やってみて気づいたことですが、やはりプレイヤーがバーストして負けるケースが圧倒的に多い感じがします。取り扱うハンドはほとんどがハードハンドですので、表のハードハンドの部分はやっていく中に覚えてしまいます。逆にダブルになった時は、負けよりも勝ちの方が圧倒的に多いです。これとプレイヤーのブラックジャックの1.5倍の配当でうまく帳尻があってるんだなという気がします。

$65.33が原点ですと、$80を超えたり、$40付近になってしまったりとこれくらいの変動幅はありました。

またこの実践を通して予想外に大きく負けたわけではないので、このゲームに仕組まれた意図といったものもないのがわかりました。

汎用基本戦略は決して勝てる戦略ではありませんが、これに従えば相当ゆっくり負けていくというのが分かりました。

オンラインカジノと相性のいいビットコイン

ここ最近になってビットコインが注目を集めるようになりました。

ビットコインというのは仮想通貨で中央銀行が存在せず、発行を司る組織や流通を管理する組織も存在せず、ブロックチェーンの仕組みによって自律性を持っている通貨になります。

2008年10月に中本哲史氏がビットコインのアイディアをネットで発表して、僅か3ヶ月後の2009年1月にはビットコインの理論を実現するためのソフトウェアがオープンソースで開発・公開され、そしてすぐに最初の取引が行われています。

誰の手にも委ねられない通貨ということにより価値の普遍性が認められたり、また介在者がいないことより流通の手数料が破格に安いという大きなメリットがあるからです。

 

これは2017年8月23日時点のビットコインの為替相場ですが、1ビットコイン(BTC)が30万6千849円というレートになっており、去年の9月、10月頃(6万ちょい)と比べて5倍近くも跳ね上がっていることが分かります。

 

まだ出来たての通貨で円やドルと比べてお世辞にも流通性がいい通貨とは言えず、このように投機の激しい通貨となっています。

また仮想通貨であるため現物の紙幣は存在せず、たた記録のみの通貨ですから、それらが無くなれば一気に無意味なものになってしまうというリスクもあります。

 

今のところは処理スピードが遅いという点を除き問題はありませんが、この先どんどん広まるにつれて何かしらの課題は必ず見つかると思います。

現在はこの処理スピードの解決をめぐり関連団体の利害が一致せず、事業者の対立により基幹システムが分裂しコインが失われる恐れが生じたことから、ビットコインの取引所13社は、利用者の資産を保護し混乱を回避するためビットコインの入出金を一時停止する措置にまで踏み切りました。

 

とはいうものの私の利用しているBitflyerはまだ入出金やビットコインの取引、ビットコインの送付ができています。

 

このビットコインですが、これが意外とオンラインカジノをはじめとするオンラインゲーミングに相性がいいのです。

理由は手数料が破格に安いことです。

 

Bitflyerへの入出金は数百円ほど掛かってしまいますが、ビットコインの取引手数料は無料、ビットコインでのオンラインカジノへの入出金は等価交換で手数料は無料ということになります。

今まではネッテラーやエコペイズを介在しなければならないため、為替手数料や引き出し手数料が高すぎて、勝ってもあまり利益を出しにくい感じでした。

しかしビットコインの場合はこれらがほとんど数百円くらいのただに等しい金額になるところがあり難いところです。

 

ただこれだけ投機性の激しい通貨ですから、少しスプレッドが大きいのが気になるところです。

これですと1ビットコインの購入価格が30万8千255円、売却価格が29万6千362円ということになります。

FXのドル/円の0.3銭というわけにはいきません。

まあほぼ1年前に比べて5倍も価値が上がるくらいの通貨で、ドルや円と流通量が全然違いますのでこれは仕方のないところです。

 

ビットコインは0.00000001BTC(約3銭)から取引できますので試してみて下さい。

ビットコインの使えるオンラインカジノはベラジョンカジノになります。

受動喫煙防止法は必要か不要か?

今厚生労働省と自民党が受動喫煙防止法をめぐり、激しい討論を繰り広げているところです。

厚生労働省は副流煙が健康被害に及ぼす影響を理由に、飲食店をはじめとするバーやスナック等を全面禁煙とすることを主張するのに対し、自民党はタバコは嗜好品で全面禁煙は自由を損ねるものと反論しています。

このような背景には2020年に東京五輪を控える中、WHO(世界保健機関)やIOC(国際オリンピック委員会)がタバコの無い五輪を推進していることがあります。

 

喫煙率は年々減少する中、欧米に比べ日本の喫煙に対する対策は遅れています。

タバコは発展途上国の人ほどよく吸う傾向がありますが、日本も世界の流れに遅れないように他の先進国なみに喫煙に対する防止策を施すべきだというには最もだと思います。

JTの「2016年全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人男性の平均喫煙率は29.7%でした。

 

この法案が可決されると中小規模の飲食店は経営が成り立たなくなるとう意見もありますが、私個人の意見としましては無関係だろうと考えています。

むしろ却って女性の客は増えるだろうと思います。

 

追記2017.6.1  産業医科大学の大和浩教授らは、全国162店舗のファミリーレストランを対象に、受動喫煙対策として、「全席の禁煙」か喫煙席と禁煙席を分ける「分煙」を導入した前後での、営業収入への影響を調査しました。その結果、「全席の禁煙」では、導入後1年目の営業収入は2%増加し、2年目には3.4%増加しました。一方、「分煙」の場合、営業収入の増加は1%未満で有意な差は見られなかったということです。(ヤフー記事より抜粋)

 

私は以前タバコを吸っていましたが、結核を患ってから吸うのを止めました。

今でこそ健常者になりましたが、昔は何とも無かったのが今は分煙の飲食店へ入ってもタバコの匂いがし、食べる気が失せてしまうのです。

また雀荘へ行くと服にタバコの匂いがこびりつくのも嫌なものです。

どうやら昔喫煙してた人でタバコを吸わなくなった人は、増幅されてタバコの匂いが気になるらしいです。

 

この法案が通ってくれたら個人的には嬉しいですが、タバコを吸っている人から見たら相当面白くないでしょうね。

そもそも喫煙にするか分煙にするか、禁煙にするかはその店のオーナーが決めることだと思います。

国がそこまで束縛する権利があるのかといえば疑問で、それなら一層タバコを法律で禁止するべきだと思います。

 

副流煙の及ぼす健康への悪影響は疑う余地が無い反面、タバコも嗜好品の一つと認めるなら、やはりオーナーに決めて貰い表示を義務付けるようにすればよいのではないでしょうか。

後はお客さんに選んで貰うようにすればいいと思います。

それが一番自然なのではないでしょうか。

中にはタバコは吸わないけど煙も気にならないというお客さんもいると思います。

 

ちなみに欧米のカジノでは今はどこもほとんどが全面禁煙になっています。

勿論将来日本にできるカジノも全面禁煙になると考えています。

最もオンラインカジノには関係ない話ですけど、この点は自宅でできる利点の一つだと思います。